悪夢は繰り返し、歴史的な惨敗に阿鼻叫喚だ。

　現地９月９日、ワールドカップ（W杯）で過去４度優勝のドイツ代表がホーム（ヴォルフスブルク）で欧州遠征中の日本代表と国際親善試合を行ない、１対４で完敗。スタジアムから大ブーイングが起きた。

　試合は前半から日本ペースだった。11分に日本代表は、MF伊東純也の得点で先制。リードを許したドイツ代表は素早いパス回しから８分後にレロイ・サネが同点に追いつくも、22分にFW上田綺世が勝ち越し弾を決め、前半を日本が2-1で折り返す。

　後半に入ると日本代表は57分に鎌田大地と上田に代わりDF谷口彰悟、FW浅野拓磨を投入。５バック気味に布陣を変更し、カウンターを狙う戦い方で追加点を窺うと、90分に途中出場の久保建英がドイツDFからボールを奪い、GKと１対１。久保の冷静なラストパスから、最後は浅野が押し込み、日本が決定的な３点目を挙げる。さらに92分には田中碧がダメ押しの４点目を決め、ドイツの戦意を喪失させた。

　昨年11月のカタールW杯初戦でサムライ・ブルーに１-２で逆転負けを喫し、苦汁をなめたドイツ代表。それ以来の再戦にリベンジを期したが、地元サポーターの前で大量４失点を食らい、かつてない醜態を晒した。
  　見るも無残にホームで完敗したドイツ代表の姿には、欧州メディアも愕然。至極当然、彼らのもとには猛批判が集まった。

　英放送局『BBC Sports』の専属リポーターでW杯を過去３度も取材したジョン・ベネット氏は試合後、自身のX（旧ツイッター）を更新。「ドイツ１×４日本！」と予想もしないスコアを綴り、「この調子だと、ドイツは次の国際親善試合前までに新しい監督を迎えることになりそうだ。ハンジ・フリック、大ピンチ」と指揮を執るフリック監督の解任は、もはや避けられない状況だと言及した。

　同じく、英国の老舗日刊紙『The Times』に寄稿するスポーツジャーナリストのトム・デスボロー氏も「代表監督としてのハンジ・フリック政権はこれで終わりかもしれない」と同監督の解任を示唆する。加えて、「（ドイツ代表は）元気がない。アイデアがない。彼らは、また恥をかいた」と酷評。直近５試合で勝利がないドイツ代表を一刀両断した。

　史上初めてドイツ代表から４点を奪い、勝ち切った日本代表。その快勝劇は、世界に大きな衝撃を与えた。その一方で、サッカー大国の苦悩は続く。

構成●THE DIGEST編集部

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