日本の天才へ、かつてプレーした異国メディアからも労いの言葉が送られている。

　９月27日、サッカー元日本代表MF小野伸二が自身のインスタグラムを更新。背番号と同じ44歳の誕生日を迎えたこの日、今季限りで現役引退すると発表した。

　J１北海道コンサドーレ札幌で現役最年長選手として臨んだ今シーズン。繊細なボールタッチでスタジアムを沸かせた天才の両足は、ついに限界を迎えた。小野は自身のSNSに「サッカーと出会い39年間もの間、僕の相棒として戦ってくれた"足"がそろそろ休ませてくれと言うので、今シーズンを最後に、プロサッカー選手としての歩みを止めることを決めました」と報告。「まだシーズン残り数試合ありますが、僕も試合に少しでも関われるように変わらず良い準備をしていきます。最後まで応援よろしくお願いします」と残り少なくなったシーズンを全力で全うすると誓った。

　小野は高卒で浦和レッズ入りしたプロ１年目からレギュラーを奪取。1998年W杯フランス大会のメンバーに選出されると、１次リーグ第３戦ジャマイカ戦に途中出場。W杯日本代表史上最年少出場記録（18歳272日）を樹立し、この記録はいまだ破られていない。以降も2002年日韓大会、06年ドイツ大会とＷ杯３大会連続に出場した。
  　26年の現役生活に終止符を打つ決意をした日本人の一報は、海外メディアも報じている。なかでも、01年に初の海外移籍を果たした古巣のオランダ１部フェイエノールトの専門メディア『KuipTalk』は公式X（旧ツイッター）に「シンジ・オノが44歳の誕生日に引退を発表した」と綴り、02年に28年ぶりとなる欧州タイトルのUEFAカップをクラブにもたらした日本人に感謝を示した。

　さらに、Jリーグ時代からドイツ、オーストラリアなど海外チームを渡り歩いた小野のユニホーム姿を合成した特別な写真を添えると、文末には「伝説的なプロサッカー選手」と敬意を評す。

　他にも、オランダ・ロッテルダムを中心に活動し、フェイエノールトの記事を多く執筆しているエデュアルド氏は小野の引退発表を受けると、自身のXに「稀代の天才フットボール選手であるシンジ・オノはフェイエノールト史上最高のミッドフィルダーのひとり。彼はとても美しい人間で、永遠にフェイエノールトのヒーローだ」と称え、当時22歳でクラブに加入した日本人の思い出を懐かしそうに振り返っている。

　世界からも類まれな才能を絶賛された小野。はたして現役ラストダンスは、どんな花道を飾るのか。奇しくもリーグ最終節（12月３日）の相手はプロ生活をスタートさせた古巣・浦和レッズである。

構成●THE DIGEST編集部

【画像】古巣フェイエノールト専門メディアが"日本の天才"に惜別メッセージ

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