中国・杭州で熱戦が繰り広げられている「アジア大会」。10月1日の男子サッカーで、北朝鮮の選手が日本戦後に引き起こした愚行が、国内外で大きな反響を呼んでいる。
事の発端は、1-1の同点で迎えた終盤80分のシーンだ。MF佐藤恵允(ドイツ・ブレーメン)のスルーパスに反応した西川潤(鳥栖)がペナルティエリア内で北朝鮮GKに倒されて、主審は迷うことなくPKを指示。北朝鮮の選手たちはこの判定に納得がいかず、審判に猛抗議するも裁定は覆らず。このチャンスを松村優太(鹿島)が冷静にゴール左に蹴り込み、日本が勝ち越しに成功した。
試合はこのまま2-1で日本が逃げ切り、ベスト4進出を果たした。だが試合直後、イライラが募った北朝鮮選手たちの怒りが爆発。激昂して審判に詰め寄り、殺伐とした雰囲気に。会場スタッフが主審と選手らを引き離し、北朝鮮のコーチ陣が冷静さを失った選手たちを制止させる騒動に発展。目を疑う出来事にスタジアムは騒然とした。
アジアナンバー1のスポーツの祭典で北朝鮮が引き起こした愚行は、隣国メディアも啞然としている。韓国の英語日刊紙である『韓国中央日報』は「北朝鮮選手が準々決勝で審判に反撃する波乱の結末」とセンセーショナルなタイトルで、北朝鮮の蛮行を報道した。
同紙は冒頭、「日本は北朝鮮に2-1で勝利したが、終了のホイッスルが吹かれた後、数人の北朝鮮選手が主審に刃向かい、混乱のなか終わった」と記し、北朝鮮のキャプテンとチームメイトらが主審と激しく口論している様子を詳細に綴る。
続けて、「少なくとも押し合いを含むと思われるこの対立には、アシスタント・レフェリーや数人の警備スタッフも加わっており、北朝鮮のシン・ヨンナム監督も状況を打開しようと選手たちに駆け寄って介入した」と言及。監督まで巻き込んだ前代未聞の騒動だと指摘している。
何より驚きだったのは指揮官のコメントだ。試合後の会見でシン・ヨンナム監督が「選手たちが試合中に少し興奮しすぎたことは認めるが、それがサッカーだ。サッカーの試合には対立はつきもの。私たちの行動は許容されるものだと思う」と主張したのだ。
理解しがたいこの発言について同メディアは、「サッカーにおける身体的な口論、特に選手が審判に刃向かったり、試合終了の笛が鳴ったあとに審判を攻撃する振る舞いは、試合の禁止や制裁によって厳しく罰せられる可能性がある」とし、試合後の振る舞いは厳罰に処するべきだと猛批判している。
さらに、「北朝鮮のスポーツシステムがいかに不透明で、実際に利用可能な処罰がないため、国際機関は北朝鮮を処罰する際に歯が立たないことが多い。北朝鮮のチームは国際的な舞台から自由に現れたり消えたりする傾向があるため、試合禁止や出場停止処分は基本的に役に立たない。選手やチームは北朝鮮国内に消えていき、処分が終わると再び現れるだけで、おそらく北朝鮮での競技キャリアには何の影響もない」と持論を展開。
加えて、アジア大会を統括するアジア・オリンピック評議会(OCA)にも非難の矛先を向けており、「できるだけ寛大で平等であろうとするあまり、(北朝鮮の)違反行為を見逃す傾向がある」と皮肉るような論調を示す。
北朝鮮が示した後味の悪い蛮行は、まだまだ波紋を呼びそうだ。
構成●THE DIGEST編集部
【動画】北朝鮮の選手が日本の飲料水を強奪→殴るような”威嚇”(5分35秒~)
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【関連記事】「主審を総攻撃」日本戦後に見せた北朝鮮の”乱暴”な振る舞いはアジア以外でも物議! 英老舗紙は苦言「理解に苦しむ」【アジア大会】
事の発端は、1-1の同点で迎えた終盤80分のシーンだ。MF佐藤恵允(ドイツ・ブレーメン)のスルーパスに反応した西川潤(鳥栖)がペナルティエリア内で北朝鮮GKに倒されて、主審は迷うことなくPKを指示。北朝鮮の選手たちはこの判定に納得がいかず、審判に猛抗議するも裁定は覆らず。このチャンスを松村優太(鹿島)が冷静にゴール左に蹴り込み、日本が勝ち越しに成功した。
試合はこのまま2-1で日本が逃げ切り、ベスト4進出を果たした。だが試合直後、イライラが募った北朝鮮選手たちの怒りが爆発。激昂して審判に詰め寄り、殺伐とした雰囲気に。会場スタッフが主審と選手らを引き離し、北朝鮮のコーチ陣が冷静さを失った選手たちを制止させる騒動に発展。目を疑う出来事にスタジアムは騒然とした。
アジアナンバー1のスポーツの祭典で北朝鮮が引き起こした愚行は、隣国メディアも啞然としている。韓国の英語日刊紙である『韓国中央日報』は「北朝鮮選手が準々決勝で審判に反撃する波乱の結末」とセンセーショナルなタイトルで、北朝鮮の蛮行を報道した。
同紙は冒頭、「日本は北朝鮮に2-1で勝利したが、終了のホイッスルが吹かれた後、数人の北朝鮮選手が主審に刃向かい、混乱のなか終わった」と記し、北朝鮮のキャプテンとチームメイトらが主審と激しく口論している様子を詳細に綴る。
続けて、「少なくとも押し合いを含むと思われるこの対立には、アシスタント・レフェリーや数人の警備スタッフも加わっており、北朝鮮のシン・ヨンナム監督も状況を打開しようと選手たちに駆け寄って介入した」と言及。監督まで巻き込んだ前代未聞の騒動だと指摘している。
何より驚きだったのは指揮官のコメントだ。試合後の会見でシン・ヨンナム監督が「選手たちが試合中に少し興奮しすぎたことは認めるが、それがサッカーだ。サッカーの試合には対立はつきもの。私たちの行動は許容されるものだと思う」と主張したのだ。
理解しがたいこの発言について同メディアは、「サッカーにおける身体的な口論、特に選手が審判に刃向かったり、試合終了の笛が鳴ったあとに審判を攻撃する振る舞いは、試合の禁止や制裁によって厳しく罰せられる可能性がある」とし、試合後の振る舞いは厳罰に処するべきだと猛批判している。
さらに、「北朝鮮のスポーツシステムがいかに不透明で、実際に利用可能な処罰がないため、国際機関は北朝鮮を処罰する際に歯が立たないことが多い。北朝鮮のチームは国際的な舞台から自由に現れたり消えたりする傾向があるため、試合禁止や出場停止処分は基本的に役に立たない。選手やチームは北朝鮮国内に消えていき、処分が終わると再び現れるだけで、おそらく北朝鮮での競技キャリアには何の影響もない」と持論を展開。
加えて、アジア大会を統括するアジア・オリンピック評議会(OCA)にも非難の矛先を向けており、「できるだけ寛大で平等であろうとするあまり、(北朝鮮の)違反行為を見逃す傾向がある」と皮肉るような論調を示す。
北朝鮮が示した後味の悪い蛮行は、まだまだ波紋を呼びそうだ。
構成●THE DIGEST編集部
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