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Jリーグ・国内

中央大商学部が田中碧所属のフォルトゥナ・デュセルドルフで実地研修。ドイツ名門で将来に繋がる実践的なカリキュラムが実現できたワケとは?【前編】

中野吉之伴

2023.10.17

ドイツ2部のフォルトゥナ・デュッセルドルフと提携する中央大商学部が現地で実地研修を行なった。(C) Getty Images

ドイツ2部のフォルトゥナ・デュッセルドルフと提携する中央大商学部が現地で実地研修を行なった。(C) Getty Images

 ドイツのブンデスリーガクラブが日本のとある大学とカレッジパートナー契約を結んでいるのをご存じだろうか?

 日本代表MF田中碧、U21日本代表内野貴史、元U21ドイツ代表歴を持つアペルカンプ真大が所属するフォルトゥナ・デュッセルドルフが、中央大学商学部と2019年にパートナーシップ契約を締結している。
 
「スポーツ・ビジネス・プログラムB2(グローバル・スポーツ・ビジネス・キャリア)明治安田生命協賛講座」という形で、スポーツビジネスに関する実地研修として行なわれている。21年度に開講したものの、当時は新型コロナウィルスの影響で2年間はオンラインでの実施のみ。今年2月に選抜された10名の学生による初めての実地研修が実現した。

 その初日にクラブ会長アレクサンダー・ヨブストが参席するなど、フォルトゥナサイドからもとても丁寧な準備をして学生たちの研修に力を貸してくれているのがよくわかる。

 なぜ日本の大学の商学部が、ドイツブンデスリーガの伝統的なクラブと提携を結ぶことができたのか。そこには様々な縁と結びつき、そして確かな積み重ねがあった。

 現在J2水戸ホーリーホックの経営企画室で事業戦略/グローバル戦略を担う瀬田元吾は、2020年まで12シーズンもの間フォルトゥナ・デュッセルドルフで日本人デスクスタッフとして活動を続けていた。当地の日本人コミュニティとの結びつきを作り出し、日本への橋渡し的な役割を担っていたそんな瀬田と中大商学部前学部長である渡辺岳夫教授との出会いが縁となり、ドイツでの実地研修の可能性を探れるようになったという。

 瀬田と渡辺教授はこうした研修が物見遊山で終わってしまうのではもったいないと考え、どうすればその先への活動へつながることで価値が出る研修にできるかを模索した。

 渡辺「いきなりドイツへ行って研修という形ではなく、ちゃんとステップを踏んで学んでいけるという形にしたいと思いました。大学の講座でJリーグビジネス論というのがあります。様々なJクラブ関係者が現場の様々な生きた話をしてくれて、学生たちからのオープンな質疑応答を受け付けるというとても人気の高い講座です。これが第一ステップ。

 第二ステップとして地域クラブなどでの実地インターンのゼミを持っています。学んできたことを実際の現場に落とし込んで自分達が何をできるのかに取り組める機会ですね。

 そして第三ステップがカレッジパートナーとなるんですね。講座を受けて興味を持った学生がゼミに入り、実際に日本で実地体験をし、そのうえでさらに優秀でモチベーションが高い学生を選抜して、ドイツに連れてくるという流れです」
 
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