研修ではデュッセルドルフの各部署がしっかりと打ち合わせをして、瀬田の後任である日本人スタッフが中に入ることで、学生の理解度を高めるプログラムを作り出している。以前、瀬田はこのプロジェクトについて次のように語ってくれたことがあった。
瀬田「学生たちが何を学びたいかを事前に把握するようにしています。そしてフォルトゥナと中央大学と一緒になって実践的なカリキュラムを考える。他にはないというか、とってつけての修学旅行的な研修ではなくて、長期プランの中の、中期的なポジションにある一つの受け皿が今回のカレッジパートナーであるかと思います」
それぞれの部署における専門スタッフが担当し、学生たちがブンデスリーガの運営や仕組みのベーシックを理解するための事前準備をしっかりしてくれているのがとても特徴的だ。広報、CSR、チケッティング、アカデミー、強化、スカウトなど、どんな疑問にも適切で詳細な答えができるような布陣になっているという。
瀬田「すべてに関して『そういうことなんだ!』と納得して感じてもらえるようなプログラムにできたらと願っています。プロクラブのマネジメントにおける入門編。そこを理解することで、自分の強みや興味がよりくっきりと見えてくるんじゃないかと思います」
スポーツビジネスへ興味を持つ学生は少なくない。どのようにアプローチしたらいいのか、どこでどのようなことを学んだらいいのか。どんなルートやステップアップがあるのか。そうしたことを知りたい人はたくさんいる。
でも国内においても、欧州においても、実際に現場ではどのようなコンセプトで、どのような人が、どのように動いているかを知る機会や情報はそこまで知られてはいない。グローバル化が進み、ネットで様々な情報を手にすることができる時代だとはいえ、とっかかりの見つけ方までは載っていない。加えて怪しい斡旋業や「その資格はどこまで通用するの?」といういかがわしい通信講座も少なくはない。これはスポーツビジネスに限った話ではないが。
いずれにしても本気でそこで勝負したいという人が本気で学べる場がオフィシャルな形であるというのはとても重要なことだと思われるし、そうした場が国内外問わず、いろんなところで増えてきてほしいものだ。
渡辺教授はこうした研修について、学生たちにとってどんなものを期待するか、次のように説明してくれた。
「例えばですが、スポーツビジネスに関するイベントプロデュースをする別のゼミ形式による少人数制授業のときそんなに目立っていなかった学生が、今回のドイツ研修で接する頻度が上がったら、とても優れた視点と取り組む姿勢を見せてくれてということがありました。学生たちの新たな可能性に触れて、彼らの潜在能力を引き出す機会としても、とても貴重な場ではないかと思っています。
ドイツ研修を終えて、大学を卒業して、いずれは社会で活躍していく人材となっていってほしいなと思います。ドイツ研修での学びをどこか心の片隅に残して、スポーツビジネスの舞台で活躍したり、あるいは何かのきっかけでひょっとしたらドイツと日本との架け橋になってくれたりもするかもしれない。今回のデュッセルドルフでの実地研修を終えて、そうした可能性を感じられたこと自体がものすごい嬉しいことですね」
取材・文●中野吉之伴
瀬田「学生たちが何を学びたいかを事前に把握するようにしています。そしてフォルトゥナと中央大学と一緒になって実践的なカリキュラムを考える。他にはないというか、とってつけての修学旅行的な研修ではなくて、長期プランの中の、中期的なポジションにある一つの受け皿が今回のカレッジパートナーであるかと思います」
それぞれの部署における専門スタッフが担当し、学生たちがブンデスリーガの運営や仕組みのベーシックを理解するための事前準備をしっかりしてくれているのがとても特徴的だ。広報、CSR、チケッティング、アカデミー、強化、スカウトなど、どんな疑問にも適切で詳細な答えができるような布陣になっているという。
瀬田「すべてに関して『そういうことなんだ!』と納得して感じてもらえるようなプログラムにできたらと願っています。プロクラブのマネジメントにおける入門編。そこを理解することで、自分の強みや興味がよりくっきりと見えてくるんじゃないかと思います」
スポーツビジネスへ興味を持つ学生は少なくない。どのようにアプローチしたらいいのか、どこでどのようなことを学んだらいいのか。どんなルートやステップアップがあるのか。そうしたことを知りたい人はたくさんいる。
でも国内においても、欧州においても、実際に現場ではどのようなコンセプトで、どのような人が、どのように動いているかを知る機会や情報はそこまで知られてはいない。グローバル化が進み、ネットで様々な情報を手にすることができる時代だとはいえ、とっかかりの見つけ方までは載っていない。加えて怪しい斡旋業や「その資格はどこまで通用するの?」といういかがわしい通信講座も少なくはない。これはスポーツビジネスに限った話ではないが。
いずれにしても本気でそこで勝負したいという人が本気で学べる場がオフィシャルな形であるというのはとても重要なことだと思われるし、そうした場が国内外問わず、いろんなところで増えてきてほしいものだ。
渡辺教授はこうした研修について、学生たちにとってどんなものを期待するか、次のように説明してくれた。
「例えばですが、スポーツビジネスに関するイベントプロデュースをする別のゼミ形式による少人数制授業のときそんなに目立っていなかった学生が、今回のドイツ研修で接する頻度が上がったら、とても優れた視点と取り組む姿勢を見せてくれてということがありました。学生たちの新たな可能性に触れて、彼らの潜在能力を引き出す機会としても、とても貴重な場ではないかと思っています。
ドイツ研修を終えて、大学を卒業して、いずれは社会で活躍していく人材となっていってほしいなと思います。ドイツ研修での学びをどこか心の片隅に残して、スポーツビジネスの舞台で活躍したり、あるいは何かのきっかけでひょっとしたらドイツと日本との架け橋になってくれたりもするかもしれない。今回のデュッセルドルフでの実地研修を終えて、そうした可能性を感じられたこと自体がものすごい嬉しいことですね」
取材・文●中野吉之伴
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