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W杯予選史上初のホーム敗北、初の3連敗、初の4戦未勝利…1940年以降最大の低迷に苦しむブラジル代表が次々に「負の新記録」を樹立

THE DIGEST編集部

2023.11.24

W杯予選では史上初のホーム敗戦を喫したブラジル代表。(C)Getty Images

 現地時間11月21日に行なわれた2026年ワールドカップの南米予選で、ブラジル代表はアルゼンチン代表に0-1で敗れ、10か国中の6位まで順位を落としている。

 リオデジャネイロのエスタジオ・ド・マラカナンに宿敵を迎えた「セレソン」は、7万人近い観衆の後押しを受けて幾つもチャンスを掴んだものの、今年のレフ・ヤシン賞を受賞したGKエミリアーノ・マルティネスの牙城を崩すことができず、逆に63分にCKから空中戦を制したニコラス・オタメンディのヘディングシュートを浴び、このリードを守り切られた。

 試合前には、アルゼンチン国歌斉唱時のブーイングに端を発してスタンドで両国サポーター同士の暴力沙汰が起こると、これを鎮圧しようとした憲兵隊によって負傷者も出るなど騒然となったマラカナン。リオネル・メッシがスタンドに近寄って冷静になるよう観客に求めるも、事態が改善されなかったため、チームメイトを促してロッカールームに引き上げるという一幕もあった。
 
 予定より30分ほど遅れて始まった試合では、前半でブラジル側に3枚のイエローカードが提示されるなど荒れ模様。ブラジルのサポーターもハイテンションで自国代表を応援するとともに、宿敵に対して敵意をむき出しにしたが、試合が進み、63分にアウェーチームが先制すると、苛立ちがセレソンに向けられ、「恥知らずのチーム」と罵声を浴びせるとともに、アルゼンチンのパスワークに対して「オーレ!」と歓声を上げるようになった。

 1点が遠いブラジルはそれでも諦めなかったが、81分に交代出場のジョエリントンが、彼の腕を掴んで執拗なマークを仕掛けてきたロドリゴ・デ・パウルを荒っぽく振り払ったことで一発退場を食らい、数的不利まで負って万事休す。これで今予選3連敗を喫し、前述の通り順位を落としたのである。

 この結果は、ブラジルにとっては幾つかの点で歴史的なものとなった。まず、W杯予選でのホームでの敗戦は史上初。この試合の前まで予選のホームゲームでは、通算64試合を戦い、51勝13分け・173得点29失点の成績を残しており、無得点で終わった試合(スコアレスドロー)すらわずか5試合しかなかった。
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予選6試合終了時点での7失点は歴代最多