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Jリーグ・国内

「”天才”の異名を持つ日本のレジェンド」欧州メディアが44歳・小野伸二の現役ラストマッチに労い。偉大なキャリアに再脚光!

THE DIGEST編集部

2023.12.04

現役ラストマッチに先発出場した小野。欧州メディアから異例な労いの言葉が送られた。写真:永島裕基

現役ラストマッチに先発出場した小野。欧州メディアから異例な労いの言葉が送られた。写真:永島裕基

 黄金世代を牽引した「天才」へ労いの言葉が止まない。

 12月3日、J1リーグ最終節が各地で行なわれ、今シーズン限りで現役引退を表明した札幌の元日本代表・小野伸二が浦和戦に先発出場。22分という短い時間のなか、随所で柔らかいボールタッチを披露し、絶妙なスルーパスや正確なFKなど、いくつかの見せ場を作り、スタジアムを沸かせた。

 交代時にはホームの札幌ドームから万雷の拍手が鳴りやまず、古巣である浦和の選手たちから花道を作られる粋な計らいで現役ラストマッチを終えた。

 高卒で浦和レッズ入りした小野はプロ1年目から、その天賦の才を発揮。レギュラーを奪取すると、1998年ワールドカップ(W杯)フランス大会のメンバーに抜擢され、1次リーグ第3戦ジャマイカ戦に途中出場。W杯日本代表史上最年少出場記録(18歳272日)を樹立した。

 小野を筆頭とした1979~80年生まれはMF稲本潤一、FW高原直泰、MF中田浩二、MF小笠原満男、MF遠藤保仁ら逸材がそろい「黄金世代」と呼ばれ、99年のFIFAワールドユース選手権で準優勝、2000年シドニー五輪ではベスト8入りを果たした。さらに、この世代がフル代表の主力メンバーとなった02年日韓大会、06年ドイツ大会とW杯3大会連続出場に貢献。日本サッカー躍進の原動力となった。
 
 日本の至宝のラストマッチは、かつて輝きを放った欧州にも伝わっている。

 スポーツ専門放送局『EUROSPORT』は、小野の引退試合を報道。配信した記事内を見ると、「日本サッカー界のレジェンドである44歳のシンジ・オノは、シーズン最終戦でプロ生活で初めて所属した浦和レッズと対戦し、26年間にわたる壮大なキャリアに、ついに終止符を打った。彼は前半途中で交代し、日本のサッカーファンが偉大な選手のひとりに別れを告げる中、スタンディングオベーションが起こった」と記し、02年にオランダの名門フェイエノールトでUEFAカップ制覇に貢献した日本人フットボーラーに敬意した。

 他にもフランスの日刊紙『Ouest-France』も、小野の引退マッチに反応。「オノは日本人として初めてヨーロッパのトロフィーを獲得した豊かなキャリアに終止符を打った」と報じ、華麗な選手キャリアへの賛辞を綴っている。

「両足に優れた攻撃的ミッドフィールダーは、ヒデトシ・ナカタ(中田英寿)やカズヨシ・ミウラ(三浦知良)とともに、1990年代後半から2000年代初頭にかけて欧州に加わった日本人フットボーラーの先駆けのひとりだった。『天才』の異名を持つオノは、18歳でプロデビューし、3度のW杯に出場したブルーサムライ(日本代表)で56キャップを誇る。まさに彼は日本のレジェンドだ」

 欧州メディアから類まれな才能を絶賛され、26年の現役生活に労いの言葉が送られた小野。稀代のファンタジスタが刻んだ足跡は色あせない。

構成●THE DIGEST編集部

【動画】”天才”小野伸二が万雷の拍手に包まれながら、ピッチを去る…
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