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「人権侵害を強く抗議」GK鈴木彩艶が受けた”差別的発言”に憤怒した森保監督に海外メディア注視。若き守護神が異例な注目【アジア杯】

THE DIGEST編集部

2024.01.24

日本のGK鈴木(右)への人種差別的な批判に、森保監督(左)は強い憤りを示した。写真:梅月智史(THE DIGEST写真部)

 日本の若き守護神に集まる人種差別的な批判が意外なところで注目されている。

 1月24日、サッカーのアジアカップでグループDの日本代表はインドネシア代表と激突。決勝トーナメント進出を懸けた重要な一戦は、日本時間の午後8時半にキックオフを迎える。

 決戦が刻一刻と迫るなか、2試合続けて日本のゴールマウスを守る21歳の鈴木彩艶に対する風当たりは、深刻さを増している。

 格下と目された初戦のベトナム戦はセットプレーから前半だけで2失点、完敗を喫したイラク戦は中途半端なパンチングで2試合連続2失点と精彩を欠いた。チームも苦戦している状況であり、自身のパフォーマンスに関する批判の声が後を絶たず、なかにはSNSを通して「差別的な発言」を受けていることが鈴木自身の口から明らかになった。

 卑劣極まりない事態に、チームを率いる森保一監督も愛弟子が置かれている状況を見過ごすことはできなかった。現地23日の前日会見で、同監督は鈴木が差別的発言を含めた誹謗中傷を受けていることについて、「我々の大切な選手であり、日本の大切な選手である鈴木彩艶に人権侵害の言葉、差別的な言葉を向けた人には断固として抗議したい。人権を侵害することはあってはいけない」と強い口調で訴えたほど、会見場は緊張感が走った。
 
 日本の指揮官が憤りを示した場面は、海外でも注目されている。

 香港の全国紙『South China Morning Post』は「日本代表のハジメ・モリヤス監督は、先週のAFCアジアカップでイラクに衝撃的な敗戦を喫した後、GKのザイオン・スズキがソーシャルメディア上で人種差別的な罵声を浴びたことを受け、彼の人権を侵害した人々に対して『強く抗議する』と訴えた」と報道。「欧州サッカー界でも問題視されている人種差別は、FIFA(国際サッカー連盟)のジャンニ・インファンティーノ会長も制裁を強化している案件だ」と付け加え、開催地のカタールでも小さくない話題となっている。

 記事では「ガーナ系米国人の父と日本人の母を持つ21歳のスズキは、イラク戦のプレー後、自分のパフォーマンスに対する批判は受け入れるが、『人種差別的なコメントはやめてほしい』と語った。ドーハで行なわれるインドネシア戦で先発が予想される彼は、イラク戦の厳しい結果を受け、日本代表の守護神として、自分がより高い基準で見られていることを自覚している」と記し、強い覚悟を持って21歳の守護神は試合に臨むと論じている。

 日の丸を背負う立場である以上、試合結果やプレー内容に対して批評されるのは仕方ないが、差別発言は言語道断といえる。決勝トーナメント進出が至上命題とされる森保ジャパンの若き守護神は、多くの批判をピッチで見返すことができるのか。運命のインドネシア戦、スタメン出場が有力視される背番号23の勇姿に期待したい。

構成●THE DIGEST編集部

【動画】イラク戦、日本の若きGK鈴木彩艶が失点を招く…
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