スコアこそ0ー1(しかも得点はイタリアのオウンゴール)だったが、内容的には0ー3、0ー4でもおかしくないほど一方的な試合だった。スペインが80分にわたってボールと地域を全面的に支配し、イタリアはまったく何もさせてもらえず、ただ自陣でスペインの攻撃を耐えるだけ。スペインがようやくプレスの圧力を落とし、受けに回った最後の10分あまりは多少押し返してセットプレーで得点の可能性を探ったが、まともな決定機は一度たりとも作り出すことができなかった。完敗、という以外にこの試合を表現する言葉を見つけることは難しい。
【動画】スペイン対イタリアのマッチハイライトをチェック!
試合内容は、データを並べてみれば一目瞭然だ(左がスペイン、右がイタリアのスタッツ)。
・ボール支配率:57%-43%
・パス成功率91%-82%
・敵陣でのパス本数:352-181
・敵陣でのパス成功率:88%-72%
・ファイナルサードでのパス本数:178-66
・ファイナルサードでのパス成功率:85%-56%
・ファイナルサードでのボール奪取数:10-2
・シュート本数:20-4
・枠内シュート本数:9-1
・xG(ゴール期待値):1.90-0.18
ルチャーノ・スパレッティ監督がピッチに送り出したのは、アルバニア戦とまったく同じ11人。ゲームプランも基本的にはアルバニア戦同様、後方からのビルドアップによるボール支配で主導権を握り、ボールを失ったらゲーゲンプレッシングで即時奪回、相手のビルドアップ/ポゼッションに対しては前に出てプレッシャーをかけ続け、危険な地域への侵入を許さない、というものだった。
このゲームプランは、スペインのそれとまったく同じ。その意味でこの試合は、ポゼッション&ハイプレスという同じ戦術を掲げる両チームが正面からぶつかり合い、どちらが優れているかを競うミラーゲームという性格を持っていた。そして、その結論はあまりにもあっけなく、開始からほんの10分後には誰の目にも明らかな形でピッチ上に表れた。
コンパクトな陣形を高い位置に押し上げたスペインは、速く正確なパスワークでイタリアのプレスを難なく剥がして前進。最大の武器である両ウイングの1対1突破から、危険な状況を繰り返し作り出す。とりわけ左ウイングのニコ・ウィリアムスはマッチアップしたイタリアの右SBジョバンニ・ディ・ロレンツォを文字通り翻弄し、最初の10分で二度の決定機に絡んでイタリアを大きな困難に陥れた。
プレスに行けばかわされ、1対1では抜き去られる手も足も出ない状況に押し込められたイタリアは、10分過ぎから振る舞いがすっかり受動的になり、ただただスペインの攻撃を耐え忍ぶだけで前半45分を過ごした。前半のシュートは、終了間際にキエーザが強引に打った1本だけだった。
スパレッティ監督は前半の惨状を受けてジョルジーニョに替えてブライアン・クリスタンテ、ダビデ・フラッテージに替えてアンドレア・カンビアーゾと、より守備的な選手を投入する交代で手当てに出たが、それでも試合の流れはまったく変わらなかった。
イタリアにとって収穫と言えることがあるとすれば、ここまで一方的にやられたにもかかわらず、失点をリッカルド・カラフィオーリのオウンゴール(55分)による1失点だけに抑えて試合を終えたこと。
スペインは後半もN・ウィリアムス、アルバロ・モラタ、ペドリらが何度も決定機を迎えたが、シュートは精度を欠いて枠を外れるか、イタリアGKジャンルイジ・ドンナルンマの好セーブに阻まれるかのどちらかだった。
少なくとも5つのファインセーブで失点の危機を救い、被害を考え得る最小限に抑えたドンナルンマのパフォーマンスも、数少ない収穫のひとつに挙げることができるかもしれない。
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試合内容は、データを並べてみれば一目瞭然だ(左がスペイン、右がイタリアのスタッツ)。
・ボール支配率:57%-43%
・パス成功率91%-82%
・敵陣でのパス本数:352-181
・敵陣でのパス成功率:88%-72%
・ファイナルサードでのパス本数:178-66
・ファイナルサードでのパス成功率:85%-56%
・ファイナルサードでのボール奪取数:10-2
・シュート本数:20-4
・枠内シュート本数:9-1
・xG(ゴール期待値):1.90-0.18
ルチャーノ・スパレッティ監督がピッチに送り出したのは、アルバニア戦とまったく同じ11人。ゲームプランも基本的にはアルバニア戦同様、後方からのビルドアップによるボール支配で主導権を握り、ボールを失ったらゲーゲンプレッシングで即時奪回、相手のビルドアップ/ポゼッションに対しては前に出てプレッシャーをかけ続け、危険な地域への侵入を許さない、というものだった。
このゲームプランは、スペインのそれとまったく同じ。その意味でこの試合は、ポゼッション&ハイプレスという同じ戦術を掲げる両チームが正面からぶつかり合い、どちらが優れているかを競うミラーゲームという性格を持っていた。そして、その結論はあまりにもあっけなく、開始からほんの10分後には誰の目にも明らかな形でピッチ上に表れた。
コンパクトな陣形を高い位置に押し上げたスペインは、速く正確なパスワークでイタリアのプレスを難なく剥がして前進。最大の武器である両ウイングの1対1突破から、危険な状況を繰り返し作り出す。とりわけ左ウイングのニコ・ウィリアムスはマッチアップしたイタリアの右SBジョバンニ・ディ・ロレンツォを文字通り翻弄し、最初の10分で二度の決定機に絡んでイタリアを大きな困難に陥れた。
プレスに行けばかわされ、1対1では抜き去られる手も足も出ない状況に押し込められたイタリアは、10分過ぎから振る舞いがすっかり受動的になり、ただただスペインの攻撃を耐え忍ぶだけで前半45分を過ごした。前半のシュートは、終了間際にキエーザが強引に打った1本だけだった。
スパレッティ監督は前半の惨状を受けてジョルジーニョに替えてブライアン・クリスタンテ、ダビデ・フラッテージに替えてアンドレア・カンビアーゾと、より守備的な選手を投入する交代で手当てに出たが、それでも試合の流れはまったく変わらなかった。
イタリアにとって収穫と言えることがあるとすれば、ここまで一方的にやられたにもかかわらず、失点をリッカルド・カラフィオーリのオウンゴール(55分)による1失点だけに抑えて試合を終えたこと。
スペインは後半もN・ウィリアムス、アルバロ・モラタ、ペドリらが何度も決定機を迎えたが、シュートは精度を欠いて枠を外れるか、イタリアGKジャンルイジ・ドンナルンマの好セーブに阻まれるかのどちらかだった。
少なくとも5つのファインセーブで失点の危機を救い、被害を考え得る最小限に抑えたドンナルンマのパフォーマンスも、数少ない収穫のひとつに挙げることができるかもしれない。
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