今夏、ドイツでEURO2024、アメリカではコパ・アメリカという代表チームの大陸王者を決するビッグイベントが同時に開催され、現在はそれぞれ４強が出揃っている。

　現地時間７月９日から行なわれるEUROの準決勝は、スペイン対フランス、イングランド対オランダという、上位の常連とも言うべき強国による魅力的なカードとなったが、この４チームの力関係はいかなるものか。それを英国のサッカー専門メディア『Football365』が、最新の「パワーランキング」で示した。

　最も低い４位はイングランド。各試合のプレー内容に対しては各方面から厳しい見方がなされており、直近のスイス戦も終盤に差し掛かるところで主導権を握った相手に先制点を奪われるという窮地に陥ったが、ブカヨ・サカの美弾に救われ、PK戦で辛うじて勝利を奪った。同メディアは「（決勝トーナメントでは）比較的楽なブロックに入ったにもかかわらず、それを感じさせない」と綴っている。
  　イングランド同様、大会前の優勝候補筆頭であったフランスも完璧とは程遠い出来で、とりわけ攻撃は635分間でオープンプレーからの得点がいまだなし。それでも勝ち上がってこられたのは堅守によるところが大きく、「この素晴らしいDF陣がいれば十分かもしれない。攻撃では、キリアン・エムバペがそろそろ何とかしてくれるだろう」と、同メディアは楽観的な見方を示して、「レ・ブルー」を３位とした。

　２位のオランダについて、同メディアは「グループステージを３位通過した後、ルーマニア、トルコと比較的対戦相手にも恵まれ、さらにこれらの相手が疲れ果てていたことを考えれば、イングランド以上に幸運だと言えよう」と指摘し、また「グループステージでのプレーには説得力がなかった」としながらも、ノックアウトステージでは試合の流れに応じて良質なマネジメントが機能していると評価している。

　そして１位はスペイン。今大会唯一のグループ全勝突破を果たし、次ラウンドに進んでもジョージアに４－１と快勝し、好調ドイツも延長の末に倒すなど、最も順調に歩みを進めている彼らは、当ランキングでも長くトップの座を維持している。「優勝トロフィー争いの最大のライバルを下した」ことで、2012年大会以来の欧州制覇に向けて「最大のヤマ場を越えた」と同メディアは見ているようだ。