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「30メートルからの幸運」なでしこジャパンを後半ATの大逆転に導いた19歳・谷川萌々子の「夢のようなゴール」を各国メディアが称賛!【パリ五輪】

THE DIGEST編集部

2024.07.30

ブラジル戦で見事な決勝ゴールを挙げた谷川。写真:金子拓弥(THE DIGEST写真部/JMPA代表撮影)

 現地時間7月28日に行なわれたパリオリンピック女子サッカーのグループステージ第2節で、日本代表はブラジル代表を2-1で下し、グループCの2位に浮上している。

 前節でスペインにスコア(1-2)以上の完敗を喫した「なでしこジャパン」が、生き残りを懸けて臨んだパルク・デ・プランスでの一戦は、前半アディショナルタイム(AT)のPKを田中美南が決められず、逆に56分に先制を許して終盤へ。しかし、後半ATの92分に相手のハンドで得たPKを熊谷紗希が決めて追いつくと、さらに4分後には谷川萌々子のダイレクトミドルが前に出ていたブラジルGKロレーナの頭上を抜き、劇的な形で今大会初の勝点を手にした。

 後半ATの2得点で逆転という、まさに奇跡、そしてブラジルにとっては悪夢の展開となったこの一戦について、FIFAの公式サイトは「日本が劇的な逆転で、大きな勝利を挙げた。後半ATに熊谷がPKを決めると、スタジアムの誰もが息つく間もなく、谷川が相手守備陣のミスを突き、見事な30メートルのシュートを南米チームのゴールに決めた」と伝えている。
 
 一方、AFC(アジア・サッカー連盟)は「世界王者スペインに敗れ、巻き返しを誓っていた日本の努力は92分になってようやく報われ、DFヤスミンのハンドからVAR検証の末に得たPKを熊谷がミスなく成功させ、さらに谷川の素晴らしいシュートが決勝点となって、ブラジルに衝撃を与えた」と綴った。

 各国メディアの報道では、開催国フランスの通信社『AFP』が「ブラジルが後半早々にジェニファーのゴールでリードを奪ったことで、2戦連続での敗北に直面した日本だったが、キャプテンの熊谷が92分に同点とし、その後には交代出場の19歳・谷川が驚異的な距離からのファーストショットで決勝点をもたらした」と、賛辞とともに試合を振り返っている。

 同国のスポーツ紙『L’EQUIPE』は、「日本は終盤にブラジルを押し切ることに成功。谷川が30メートルの距離から放った美しいロブにより、日本はグループCで2位に浮上し、自分たちの運命を自分たちの手で握ることができるようになった。最終戦では、グループ内で最も力が劣るとされるナイジェリアと対戦するため、準々決勝進出の夢を描くことができる」と、グループ突破の可能性が大きく上昇したことを強調した。
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敵国メディアは「日本の逆転は、ブラジルからのプレゼントだった」