現地時間７月30日に行なわれたパリオリンピック男子サッカーのグループステージ（GS）最終節で、日本代表はイスラエル代表を１-０で下し、全勝でグループDの首位通過を果たすとともに、準々決勝では強敵スペインと対戦することが決定している。

　すでに前節マリ戦（１-０）で準々決勝進出を決めていた日本は、スタメンを６人入れ替えてこの一戦に臨んだ。勝利が必要なイスラエルに幾度もゴールに迫られるもGK小久保怜央ブライアンの好守などでこれを防ぎ、逆にチャンスを創出するが、スコアは動かないまま後半アディショナルタイム（AT）に突入。そして91分、藤田譲瑠チマの縦パスから右サイドを駆け上がった佐藤恵允が折り返すと、細谷真大がダイレクトでゴール右隅に突き刺し、決勝ゴールを挙げた。

　マリ戦同様に終盤の得点で勝利を奪った日本の戦いぶりについて、FIFA（国際サッカー連盟）の公式サイトは、「交代出場の細谷が唯一のゴールを決めたのは、チャンスが少ない試合の後半AT１分で、佐藤の折り返しを冷静に蹴り込んだ。小久保は、前後半の早い段階でリエル・アバダとオスカー・グロウクのシュートに対処する必要があったが、それ以外ではほとんど危険に晒されることはなかった」と伝えている。
  　一方、AFC（アジア・サッカー連盟）は、「後半ATに入ると、細谷が右足でGKオメル・ニルロンの牙城を崩して日本に３連勝をもたらし、1968年（メキシコシティ大会）以来のメダル獲得への希望を高めた」と綴り、また「大岩剛監督率いるチームは、小久保のおかげで３試合連続でのクリーンシートを達成した」と、この試合でもゴールを許さなかった守護神にも言及した。

　1976年モントリオール大会以来、実に12大会ぶりの五輪が終了したイスラエルの日刊紙『Maariv』は、「日本はイスラエルの守備の薄さを利用し、パスワークからストライカーが14メートルの距離からのシュートをゴールに突き刺した」と報じるとともに、グイ・ルソン監督の日本に対する賛辞を以下のように紹介している。

「日本はこの世代において、世界で最も優れたチームのひとつだ。彼らはダイナミックで、技術的に優れており、組織的で、フィジカルも強い。サッカーチームに求められる全てを持っている。我々は試合の大部分で彼らと互角だったが、結局のところ日本は日本であり、より優れたチームが勝利した」