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「スーパースターはいないが粒揃い」「見ていて楽しいサッカーをする」スペインの人気ラジオ番組が男子サッカー日本代表を徹底分析!「個人的に好きな選手は…」【パリ五輪】

下村正幸

2024.08.01

準々決勝でスペインと対戦する男子サッカー日本代表。(C)Getty Images

 スペインを代表する民放の大手ラジオ局『カデナ・セール』には、実況生中継版の『カルセル・デポルティーボ』と、深夜放送される1日の振り返り版の『エル・ラルゲロ』の2つの人気スポーツ番組がある。そして現地7月30日は、その両番組で日本代表の分析に時間が充てられていた。

 まず『カルセル・デポルティーボ』では、エジプト戦が終わった直後にスペイン代表の準々決勝の対戦相手として紹介された。そのなかで記者であり分析家のフェルミン・スアレス氏はこう語っている。

「コンビネーション、ダイナミズム、秩序という特徴を持っているのはこれまでの日本代表と同じだ。良い形で攻撃し、チャンスを作ることはできるが、ゴール前のクオリティーがやや不足している。スーパースターはいないが粒揃いだ。個人的に好きな選手は、サイトウ(斉藤光毅)とミト(三戸舜介)のスパルタ・ロッテルダムコンビ。いずれも興味深いタレントだ。彼らのような機動力豊かな選手たちが、ポジションチェンジを繰り返しながらポゼッション率を高めてイニシアチブを握るという、スペインにとっては正面からぶつかる戦いをする」
 
 勝敗については、「コンパクトにアグレッシブにプレーし、それぞれ少しずつ守備を整備し、攻撃の効率性を高めることができれば、スペインが有利」と予想。そのうえで「スピード、ダイナミズム、運動量が武器の日本は、スペインがエジプト戦で露呈した問題点をあぶり出すことができるチームだ」と警鐘を鳴らし、最後に"スペインの個のクオリティー"に期待を込めた。

 一方、深夜放送の『エル・ラルゲロ』では日本の分析に入る前に、優勝候補のフランスが別の山に組み込まれ、さらに対抗馬の1つのアルゼンチンといきなり準々決勝でつぶし合うことになったことを歓迎。続いて次戦の対戦相手となる日本を、スカウト兼アナリストのホセ・ダビド・ロペス氏が以下のように紹介している。

「日本はU-23アジアカップのチャンピオンだ。同大会の決勝では、スペインが今大会の初戦で勝利を収めた(2-1)ウズベキスタンを、大苦戦の末に退けた(1-0)。日本の試合は、全体的に攻守の攻防が激しく、娯楽性が高い。グループステージの3試合はいずれも良い内容で勝利を収めた。消化試合という位置づけだったイスラエル戦は、スタメンを大幅に入れ替える中でも1-0で勝利を挙げ、チームスピリットの高さを見せた。スーパースターはいない。オーバーエイジ枠を使用しなかったのは、オリンピック出場を勝ち取った選手たちへの信頼の証だろう」
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「グループステージの戦い方のままではスペインの苦戦は免れない」

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