１月13日に東京・国立競技場で開催された第103回全国高校サッカー選手権の決勝は、前橋育英（群馬）と流経大柏（千葉）が対戦した。試合は１-１のまま90分間を戦い抜き延長戦でも決着がつかず、最後はPK戦で前橋育英が９-８で競り勝ち、７大会ぶり２度目の優勝を飾った。そして試合後に起きた、勝者をリスペクトする振る舞いが小さくない話題となっている。

　高校サッカー屈指の名門校同士のカードには過去最多となる５万8347人の観衆が集まった。注目度の高いファイナルは、見応え十分の好ゲームとなった。

　前半12分に流経大柏が先制ゴールを奪うと、同31分には前橋育英が柴野快仁のヘディングで同点に追い付き、試合を振り出しに戻す。後半は両チーム一進一退の攻防でゴールを割らせず、高い集中力を保ち続けた。結局、10分ハーフの延長を含めて110分間でも決着が付かず、PK戦も10人目まで突入する文字通りの死闘となった。
  　歓喜に沸く前橋育英イレブンの横で敗れた流経大柏の選手たちは肩を落とし、涙に暮れた。前橋育英の８人目のキッカーを止め、流れを一度は引き寄せた流経大柏のGK加藤慶太（３年）は10人目のシュートをストップできず、うつ伏せで天を仰ぎ涙が止まらなかった。そんな守護神のもとに主将の佐藤夢真（３年）がすぐに駆け寄り、労いの言葉をかけた。

　それだけではない。試合直後、ピッチ中央で観客の声援に応えたあと流経大柏の選手たちは前橋育英の選手らと一人ひとり健闘を分かち合うかのように抱き合い、「おめでとう」「ありがとう」などと丁寧に声をかけ、日本一を称えた。

　両校のスポーツマンシップ溢れる振る舞いにはネット上も感激したようで、「今大会最大の号泣シーン」「一番グッと来た」「もう両校優勝でええやん。泣」「マジでサッカー少年、少女は見てほしい!!」「感動的な瞬間だったね」「素敵すぎる」などなど、胸熱な場面に感動した声が上がっていた。

構成●THE DIGEST編集部

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