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「良いサッカーやサポートを提供したい」名将クロップの「レッドブル」での挑戦に対しての反応は!? 道義的な反感の他に「素晴らしいチャンス」と期待も

THE DIGEST編集部

2025.01.16

「レッドブル」のグローバルサッカー部門の責任者に就任したユルゲン・クロップ。(C)Getty Images

「レッドブル」のグローバルサッカー部門の責任者に就任したユルゲン・クロップ氏が、同社が本部を置くオーストリア・ザルツブルクの空港に隣接するイベント会場「HANGAR-7」で行なわれた発表会に出席した。

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 マインツ、ドルトムント、リバプールで指揮を執り、チームに多くのタイトルをもたらしてきたサッカー界屈指の名将は、昨季限りでいったんベンチを離れ、その後の去就が注目されていたが、昨年10月にこれまでとは異なる役職で活動することがレッドブルによって明らかにされていた。

 同社の公式サイトによれば、彼は今後5年間にわたって「レッドブル傘下のサッカークラブの国際ネットワークを統括。各クラブの日常業務に関与することはないが、戦略的なビジョンを提供することで、レッドブルの哲学を推進する各クラブのスポーティングディレクターを支援する。さらに、レッドブルのグローバルサッカー部門における世界規模のスカウティング業務の補佐と、指導者の養成や育成に貢献する」という。

 そして1月14日、レッドブルカラーのF1マシンが並ぶ会場に企業プロジェクト・投資CEOを務めるオリバー・ミンツラフ氏とともに姿を現わした57歳は、同社製のエナジードリンク缶を手に、新たな挑戦に向けての抱負を以下のように語った。
 
「(ブンデスリーガ第16節のブレーメン戦で)RBライプツィヒの4万2000人のサポーターを見てこう思った。『ライプツィヒを応援し、彼らが勝つのを見たいと思っている人々には、良いサッカーを見る価値がないのか?』と。そして『彼らはそれに値する』と感じたし、それを提供する価値があると思った。それはライプツィヒだけでなく、(同じレッドブル系列のクラブが所在する)ザルツブルク、ニューヨーク、日本、ブラジルのファンも同様だ。彼らは良いサッカーやサポートを受けるに値する。私はそれを提供したい」

 また、彼は「医者は、患者がどこの街から来たかで区別しない。弁護士もそうだ。私はフットボールの医者だ。どこでも、全力を尽くせるところなら、その場所で助けるのが好きだ」とも語っているが、これはドイツの伝統的な「50+1ルール(親会社の名前をクラブ名に冠せず、クラブ所有期間が20年未満の場合は49%までしかオーナーシップを保有できない)」に抵触していると指摘されているライプツィヒで業務に携わることへの批判に対する反応である。

「9年間イングランドにいたら、同じ人間ではいられない。他の種類のフットボールを見たことがない人々と同じ視点で戻ることはできない。私の意見では、人々は可能な限り最高のものを受けるに値する」
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「クロップはピッチ上でレッドブルの価値観と完全に一致している」