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マンU指揮官の「史上最悪なチーム」発言に「絶対に言うべきでない」と有識者からの批判が続々…現地メディアは「選手への刺激、クラブへのSOS」との見解

THE DIGEST編集部

2025.01.21

マンUを率いるアモリム監督。チームを立て直せるのか。(C)Getty Images

 マンチェスター・ユナイテッドは現地時間1月19日に行なわれたプレミアリーグ第22節、本拠地オールド・トラフォードでブライトンに1-3の敗北。今季の黒星は10に達し、13位に沈んでいる。

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 17日に亡くなったマンU史上に残る偉大なストライカー、デニス・ロー氏に勝利を捧げる必要があった一戦で、1ゴール1アシストを記録した三笘薫らの活躍を許して無残な結末を迎えた「赤い悪魔」。これでホームでの敗戦は6回目であり、開幕からのホーム12戦目でこれだけの黒星を重ねたのは、1893-94シーズン以来のことだという(英国の日刊紙『The Guardian』より)。

この試合後の会見で、昨秋に解任されたエリク・テン・カテの後釜として指揮を執っているルベン・アモリム監督が「我々はもしかしたら、クラブ史上最悪なチームかもしれない。(報道陣に向けて)見出しを欲しがっているのは承知しているが、この状況を変えていかなければいけない。さあ、見出しをつけてくれ」と語ったことが話題を集めている。

この発言の後に「マンUはシーズン途中に新しい監督を迎え、その監督は前任者よりも多く敗北を喫している。そのことは完全に理解している。それでも私は、(自身が信奉する)3-4-3システムを変えるつもりはない。何があろうと変えない。この困難な時期を乗り越えれば成功できると信じている」と巻き返しを強く誓ったポルトガル人指揮官に対しては、厳しい見解を示す者が少なくない。
 
 スポーツ専門チャンネル『ESPN』では、リバプールのレジェンドであるスティーブ・ニコル氏が「アモリムは同情を受けたいと思っている」と指摘し、「そんなことを言うなんてありえない。そんな発言は絶対にしてはいけないことだ。それを聞いた選手たちが、どう反応すると思っているのだろうか? 絶対に言うべきではない。時には嘘をつく必要もある」と、この発言を強く批判している。

同メディアのコメンテーターで元MLSプレーヤーのアレハンドロ・モレノ氏も、「これは何の助けにもならない。マンUの選手たちは今、自分たちが良い状態になく、苦しんでいることを承知している。なのに、監督がこんなコメントを世界中に発信する必要などない。もし自分が選手だったら、これを聞いて自信を持てるわけがない。選手に対する信頼を失ってはいけない唯一の人物は監督だ。そうでなければ、全てが崩れてしまう」と主張した。

 また、リバプール、イングランド代表で活躍したジェイミー・キャラガー氏も、『Sky Sports』で「監督の発言としては最も奇妙で愚かなもののひとつだ。なぜ彼は、あのようなコメントをしたのか? あれは我々のようなコメンテーターがするものであり、むしろ監督はそういった発言から選手を守るべき立場にいるはずだ。あれで、彼にいかなる利益があるのか理解できない」と断じている。
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「必ずしも歴史的な最低点に達しているわけではない」とも