2月5日はネイマールの33歳の誕生日だった。サッカーの世界ではもう十分にベテランの域だが、その年齢でも第一線で活躍している選手は少なくない。しかしネイマールの場合は、2023年8月のサウジアラビアへの移籍に加え、長期間怪我で離脱していたことも重なり、近年は“元”スタープレーヤーのような雰囲気を醸し出していた。今回の古巣サントスへの復帰も、その延長線上に捉える向きは少なくない。スペイン紙『スポルト』は、「オイルマネーの恩恵にあずかり、懐を潤し続ける中、トレードマークだった笑顔が次第に消えていった。ネイマールのキャリアの急降下は、ここ数十年のサッカー界で最も残念な出来事の1つだ」と指摘している。
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ネイマールの失速を招いた要因の1つが、キャリアの選択だ。『スポルト』が2017年8月のバルセロナからパリ・サンジェルマンへの移籍を「キャリアの中で最悪の決断だった。より注目度が低いリーグに身を置き、ピッチ外でのスキャンダルが頻発し、サッカー界の迷子になってしまった」と指摘すれば、同紙のホアキン・ピエラ記者は、「1年半前、パリ・サンジェルマンからサウジアラビアのアル・ヒラルへと移籍した日を境に、ネイマールは引退選手のように振る舞い始めた。すべては欧州のビッグクラブがどこも欲しがらなかったため、オイルマネーに浴するという安易な選択をしたことが原因だ。さらに深刻な膝の怪我がサウジアラビアでの冒険に影を落とした」と一刀両断している。
ブラジルメディア『グローボ』によると、サントスとは6月30日までの短期契約。ピエラ氏はその点にも着目し、「孝行息子の帰還というシナリオをいくら描いても、今回の決断がキャリアを好転させるきっかけになるとは思えない。ネイマールは5か月間サントスに滞在した後、MLSに行きたいと思っているのだろう。なぜなら彼自身が以前、シーズンが短く、休暇が長いところが惹かれると口にしていたからだ」とどこまでも懐疑的だ。
もちろん反論も存在する。ピエラ氏の同僚のアレックス・カラフ記者はその1人で、「サウジアラビアへの移籍に関しては、大失敗以外の表現が見つからない。問題は、今回のサントス復帰を機にその評価をキャリア全体に拡大解釈しようとしている連中がいることだ。それは劣等感を抱いているか、恨みを持っている人間の仕業に違いない。毎週、最高峰の舞台で、観客を楽しませるというサッカーの神髄を体現してきたという事実ひとつ取ってみても、我々は”ネイ”(ネイマールの愛称)のキャリアに感謝すべきだ。たとえ、その過程において最善の決断を下してきたわけではないとしても、だ」と主張する。
子供の頃、そのネイマールのスペクタクルに夢中になった1人がラミネ・ヤマルで、その意義の大きさをフリージャーナリストのアルベル・ブラジャ氏は「人々はネイマールについて無味乾燥な言葉で語っている。それでは野生的なテクニックや、試合や周りの選手に与えた特大のインパクトといった彼のサッカーの魅力の一片も表現することはできない。大多数の選手が230試合出場するよりも、”ネイ”の90分間には、より多くのサッカーとレガシーが詰まっている。なんならヤマルに聞いてみればいい。なぜなら、彼のアイドルはネイマールだからだ」と力説する。
今回の移籍に際し、ネイマールの頭の中には、開幕まで1年半を切った北中米W杯を意識しているだろうことは想像に難くない。そこで完全復活を世界にアピールするつもりだろう。もう33歳か、まだ33歳か。決めるのはすべて彼次第だ。
文●下村正幸
【動画】サントスがネイマール復帰動画を作成「#王子様が帰ってきた」
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ネイマールの失速を招いた要因の1つが、キャリアの選択だ。『スポルト』が2017年8月のバルセロナからパリ・サンジェルマンへの移籍を「キャリアの中で最悪の決断だった。より注目度が低いリーグに身を置き、ピッチ外でのスキャンダルが頻発し、サッカー界の迷子になってしまった」と指摘すれば、同紙のホアキン・ピエラ記者は、「1年半前、パリ・サンジェルマンからサウジアラビアのアル・ヒラルへと移籍した日を境に、ネイマールは引退選手のように振る舞い始めた。すべては欧州のビッグクラブがどこも欲しがらなかったため、オイルマネーに浴するという安易な選択をしたことが原因だ。さらに深刻な膝の怪我がサウジアラビアでの冒険に影を落とした」と一刀両断している。
ブラジルメディア『グローボ』によると、サントスとは6月30日までの短期契約。ピエラ氏はその点にも着目し、「孝行息子の帰還というシナリオをいくら描いても、今回の決断がキャリアを好転させるきっかけになるとは思えない。ネイマールは5か月間サントスに滞在した後、MLSに行きたいと思っているのだろう。なぜなら彼自身が以前、シーズンが短く、休暇が長いところが惹かれると口にしていたからだ」とどこまでも懐疑的だ。
もちろん反論も存在する。ピエラ氏の同僚のアレックス・カラフ記者はその1人で、「サウジアラビアへの移籍に関しては、大失敗以外の表現が見つからない。問題は、今回のサントス復帰を機にその評価をキャリア全体に拡大解釈しようとしている連中がいることだ。それは劣等感を抱いているか、恨みを持っている人間の仕業に違いない。毎週、最高峰の舞台で、観客を楽しませるというサッカーの神髄を体現してきたという事実ひとつ取ってみても、我々は”ネイ”(ネイマールの愛称)のキャリアに感謝すべきだ。たとえ、その過程において最善の決断を下してきたわけではないとしても、だ」と主張する。
子供の頃、そのネイマールのスペクタクルに夢中になった1人がラミネ・ヤマルで、その意義の大きさをフリージャーナリストのアルベル・ブラジャ氏は「人々はネイマールについて無味乾燥な言葉で語っている。それでは野生的なテクニックや、試合や周りの選手に与えた特大のインパクトといった彼のサッカーの魅力の一片も表現することはできない。大多数の選手が230試合出場するよりも、”ネイ”の90分間には、より多くのサッカーとレガシーが詰まっている。なんならヤマルに聞いてみればいい。なぜなら、彼のアイドルはネイマールだからだ」と力説する。
今回の移籍に際し、ネイマールの頭の中には、開幕まで1年半を切った北中米W杯を意識しているだろうことは想像に難くない。そこで完全復活を世界にアピールするつもりだろう。もう33歳か、まだ33歳か。決めるのはすべて彼次第だ。
文●下村正幸
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