コパ・デル・レイ準決勝第1レグ、バルセロナ対アトレティコ・マドリー戦は、4-4の壮絶なシーソーゲームとなった。バルサの視点から見ると、開始早々に背負った2点のビハインドを跳ね返し、4-2とした攻撃力が炸裂したと同時に、ラスト10分でその2点リードが帳消しになった試合運びの未熟さを露呈した一戦でもあった。この結果を境に現地では、バルサを率いるハンジ・フリック監督のハイリスク・ハイリターンのサッカーを巡って議論が活発化。賛否が分かれる事態となっている。
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反対派が問題視しているのは、「アウェーのセルタ戦(2-2)とベティス戦(2-2)、ホームのアトレティコ戦(1-2)でも起こったことだ」とスポーツ紙『ムンド・デポルティボ』で長年、コラムを執筆するシャビエル・ボッシュ氏が指摘するように、ラ・リーガで何度も痛い目に遭ったにもかかわらず、同じ過ちを繰り返していること。OBの間でも、1980年代にウイングとして名を馳せたフランシスコ・ホセ・カラスコ氏のように「リードしているのに、勝利を危険にさらすことほど無謀なことはない。DFの背後のスペースが広がるリスクがある中で、ラインを押し上げるのは、リードを許している側のチームがすべき戦い方であるはずだ。しかしバルサの場合はその逆になっている」といった意見も出ている。
しかしフリック監督はバイエルンの監督時代も、同じイケイケサッカーで3冠を達成した。バルサもその2019―2020シーズンにチャンピオンズリーグ準々決勝で2-8という歴史的な大敗を喫し、餌食になっている。だからこそ、終盤、痛恨の失点を喫する試合が続いても、識者の間でもフリック・バルサを支持する者は少なくない。
スポーツ紙『スポルト』の記者、フェラン・コレアス氏が「終盤、後ろに引き気味に守ることを選択していれば、リードを保つことができたかもしれない。しかしそれではワクワクが止まらないバルサではなくなってしまう。リスクを背負ってでも、攻めて攻めまくるのがフリック監督のサッカーだ」と力説すれば、作家のウーゴ・スコッシア氏は、「バルサのサッカーはこれまで以上に娯楽性に溢れ、活気に満ちている。それは縦への推進力を追及する姿勢の賜物であるが、しかし、中にはその強いこだわりが、試合がカオスな展開になる可能性をはらんでいることを理解できない連中がいるようだ。バルサのような若いチームであればなおさらその傾向は強まる。イタリアのチームのようにガチガチに守り、ブラジルのチームのようにスピーディーに展開して攻めることができると信じている人々は、サッカーについてほとんど知らないか、あるいは夢想家であるかのどちらかだ」と反対派を皮肉る。
そんな中、長年バルサを追い続けているベテランジャーナリストのリカルド・トルケマダ氏は「フリック・バルサを見るときは、その不完全さに対して誇りを持つことをお勧めする。そこから遠ざかろうとする長い旅の中では、現実をありのままに受け入れる姿勢を持たなければならない。無力さから生じるストレスから離れ、チームが発信するポジティブなものをすべて楽しもうではないか。フリック・バルサは唯一無二の両極端のチームだ。まだ生まれたての若い集団なのだから、その未熟なところも含めて愛さなければならない」と提言する。
未熟さとは成長過程にあることの裏返しだ。スペイン『AS』のバルサ番記者のフアン・ヒメネス氏は「これまでのところ、フリック・バルサは挫折を経験するたびに何かを学んできた」と強調している。
文●下村正幸
【動画】ラフィーニャ弾炸裂! バルサ10人で魂の勝利!
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反対派が問題視しているのは、「アウェーのセルタ戦(2-2)とベティス戦(2-2)、ホームのアトレティコ戦(1-2)でも起こったことだ」とスポーツ紙『ムンド・デポルティボ』で長年、コラムを執筆するシャビエル・ボッシュ氏が指摘するように、ラ・リーガで何度も痛い目に遭ったにもかかわらず、同じ過ちを繰り返していること。OBの間でも、1980年代にウイングとして名を馳せたフランシスコ・ホセ・カラスコ氏のように「リードしているのに、勝利を危険にさらすことほど無謀なことはない。DFの背後のスペースが広がるリスクがある中で、ラインを押し上げるのは、リードを許している側のチームがすべき戦い方であるはずだ。しかしバルサの場合はその逆になっている」といった意見も出ている。
しかしフリック監督はバイエルンの監督時代も、同じイケイケサッカーで3冠を達成した。バルサもその2019―2020シーズンにチャンピオンズリーグ準々決勝で2-8という歴史的な大敗を喫し、餌食になっている。だからこそ、終盤、痛恨の失点を喫する試合が続いても、識者の間でもフリック・バルサを支持する者は少なくない。
スポーツ紙『スポルト』の記者、フェラン・コレアス氏が「終盤、後ろに引き気味に守ることを選択していれば、リードを保つことができたかもしれない。しかしそれではワクワクが止まらないバルサではなくなってしまう。リスクを背負ってでも、攻めて攻めまくるのがフリック監督のサッカーだ」と力説すれば、作家のウーゴ・スコッシア氏は、「バルサのサッカーはこれまで以上に娯楽性に溢れ、活気に満ちている。それは縦への推進力を追及する姿勢の賜物であるが、しかし、中にはその強いこだわりが、試合がカオスな展開になる可能性をはらんでいることを理解できない連中がいるようだ。バルサのような若いチームであればなおさらその傾向は強まる。イタリアのチームのようにガチガチに守り、ブラジルのチームのようにスピーディーに展開して攻めることができると信じている人々は、サッカーについてほとんど知らないか、あるいは夢想家であるかのどちらかだ」と反対派を皮肉る。
そんな中、長年バルサを追い続けているベテランジャーナリストのリカルド・トルケマダ氏は「フリック・バルサを見るときは、その不完全さに対して誇りを持つことをお勧めする。そこから遠ざかろうとする長い旅の中では、現実をありのままに受け入れる姿勢を持たなければならない。無力さから生じるストレスから離れ、チームが発信するポジティブなものをすべて楽しもうではないか。フリック・バルサは唯一無二の両極端のチームだ。まだ生まれたての若い集団なのだから、その未熟なところも含めて愛さなければならない」と提言する。
未熟さとは成長過程にあることの裏返しだ。スペイン『AS』のバルサ番記者のフアン・ヒメネス氏は「これまでのところ、フリック・バルサは挫折を経験するたびに何かを学んできた」と強調している。
文●下村正幸
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