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「フィニッシュの精度が格段に向上」公式戦5試合連発の前田大然、現地メディアは「キョウゴをレンヌに売却したクラブの判断を正当化している」と評価

下村正幸

2025.03.17

前田が点取り屋としての成長ぶりを見せつけている。(C)Getty Images

 前田大然の勢いが止まらない。今シーズン、セルティックでは42試合に出場し、28ゴール・9アシストを記録している。そのきっかけとなった出来事のひとつに、冬の移籍市場における古橋亨梧のレンヌへの移籍が関係しているのは明らかだろう。
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「キョウゴのような選手がチームを去れば、元チームメイトがステップアップする番だ。ダイゼンがそのチャンスの到来を喜んでいるのは明白だ。時には、一押しで物事が変わることもある」と、元『ジャパン・タイムズ』の記者、ダン・オロウィッツ氏は指摘するが、実際前田はCFとして代役を務め、ゴールを量産している。

 セルティック専門サイト『Celts Are Here』はその活躍ぶりを、「マエダはブレンダン・ロジャース監督の指導の下、成長を遂げ、ゴールだけでなく、その激しい運動量とDFの裏を執拗に取る能力でチームに貢献している。その動きとスピードは常に相手チームにとって脅威であり、今シーズンはフィニッシュの精度も格段に向上している。 精力的なプレッシングは常に彼のトレードマークであったが、コンスタントにゴールネットを揺らす得点力が加味されたことで、プレーのレベルをより一層高めた」と分析している。

 一方、英メディア『THE SCOTISH SUN』は、スコティッシュ・カップ準々決勝のハイバーニアン戦(セルティックが2-0で勝利)で挙げた先制ゴールに着目。「ハイバーニアンのGK、ジョーダン・スミスがニコラス・キューンの至近距離からのシュートを弾き出した瞬間、他の選手がボールウォッチャーになる中、マエダだけが反応した。一瞬の動き出しが生み出したゴールだった。他のストライカーがまだ地面に足をつけたままでいる場面で、ゴールの匂いをかぎ分ける嗅覚が彼にはある。マエダはエネルギーとスタミナの塊のような選手だが、今シーズン、多くのゴールを決めているのは、周りの選手のリアクションが遅れたり、躊躇しているときに発揮する瞬時の判断力によるところが大きい。ハイバーニアン戦でもその後、絶好のクロスを外した場面があったように、ゴールチャンスを逸することもまだある。しかし、マエダはセルティックの快進撃に大きく貢献しており、キョウゴをレンヌに売却したクラブの判断を正当化している」と評価する。
 
 英メディア『Football Insider』が「マエダはバイエルン・ミュンヘン戦でも得点を挙げるなど欧州の強豪相手にも価値を証明した」と伝えるように、チャンピオンズリーグ(CL)でもその実力を示した。

 当然、周りは騒がしくなっており、『Football Insider』は「ビッグオファーはあるだろう。ただ、セルティックは受諾するにしても断るにしても、判断に迷うはずだ」という元スコットランド代表のロス・マコーマック氏の言葉を引用して、「レンヌから1月にフルハシの獲得を打診されると、フープス(セルティックの愛称)は最終的に1000万ポンド(約19億円)で売却した。多くの人がマエダのほうが実力は上と信じている中、マコーマックは、セルティックは今夏、いくつかのオファーを拒否せざるを得なくなるだろうと考えている」と言及している。

 この絶好調ぶりを受けて、日本代表でも3月シリーズでは1トップ起用が取り沙汰されている。鬼プレスで鳴らしてきたストライカーが、ゴールを量産することで一気に主役に躍り出た。

文●下村正幸

【動画】前田大然、豪快ヘッドで公式戦5連続弾!

 
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