急転直下の展開だった。ラ・リーガ第33節、敵地メンディソローサでのアラベス戦に0-1で敗北を喫した翌日の24日、レアル・ソシエダはイマノル・アルグアシル監督の今シーズン限りでの退任を発表した。
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一般紙『エル・パイス』によると、以前よりクラブから契約延長を打診されており、地元紙『ノティシアス・デ・ギプスコア』は2週間前の時点では、100%続投する意思を固めていたと報じている。
この一連の流れについて、大手ラジオ局『Cadena SER』で番記者を務めるロベルト・ラマホ氏は、記事を手掛けるスポーツ紙『AS』において、「イマノルは続投を希望していた。しかし公に認めることはないだろうが、彼はクラブを取り巻く外部の意見を非常に重視する人間で、最近、自身の采配に対して批判の声が急速に広がっていることを感じ取っていた。自分自身、そして何よりも愛するクラブを傷つけないため、寛大な心を持って、夢だったチームを率いることを諦め、身を引くことを決意した」と説明している。
就任7年目を迎え、マンネリ化がもたらす求心力の低下は多方面から指摘されており、『ラジオ・マルカ』の人気MC、ミゲル・キンターナ氏は、「近年、顔ぶれが変わってチーム内で"イマノル・チルドレン"が占める割合が減少し、以前のようにメッセージが届かなくなっていた。就任以来、情熱的な指導で、個々の才能に泥臭さを融合させ、躍進に導いてきたが、今シーズンはそのチーム全体が一体感を持って戦うソシエダらしさに陰りが見られる」と分析する。
その結果が、ヨーロッパリーグ(EL)とコパ・デル・レイから敗退し、リーグ戦での巻き返しが期待された中での終盤の停滞であり、現在17位に低迷するアラベスに敗れたことが引き金となって、決断を下した。
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さらに驚きだったのは、そのまた翌日、新監督にソシエダBを指揮するセルヒオ・フランシスコが内部昇格の形で就任すると発表されたことだ。この人事の舞台裏については、ホキン・アペリバイ会長が、「昨年12月の時点でイマノルに対し、続投しなかった場合は、セルヒオの昇格が既定路線だと伝えていた」と明かしている。
フットボールディレクターのロベルト・オラベも今シーズン限りで退任することがすでに決まっており、ソシエダは否応なくリスタートを切ることになる。
そんな中、地元紙『エル・ディアリオ・バスコ』は、「来シーズンの欧州カップ戦の出場権を逃した場合は、マルティン・スビメンディやタケ・クボ(久保建英)のような市場の注目銘柄となっている主力の移籍に関する話が過熱し、長い夏を過ごすことを強いられるリスクはある。しかし当時、降格圏付近を彷徨っていたのに対し、今現在、ソシエダは欧州カップ戦の出場権争いに顔を出している。加えて才能ある若手を数多く擁し、その多くと長期契約を結んでいる」と成長株のホン・アランブルやパブロ・マリン、移籍加入組のルカ・スチッチ、アルセン・ザハリャン、オーリ・オスカルソンら期待の若手の名前を列挙しながら、現チームとアルグアシルが監督に就任したばかりの2019年のチームを比較し、楽観的な見方を示している。
つまるところ、セルヒオ・フランシスコの昇格は、継続路線で若手の育成と強化を進めていくというクラブの意思表示に他ならない。問題は、スビメンディや久保がそれぞれの野心と照らし合わせて、そのクラブからのメッセージをどう受け止めるかだろう。欧州行きの望みをかけて戦う今シーズン残り5試合も含め、新監督は選出したものの、ソシエダの未来は波乱の様相を呈している。
文●下村正幸
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一般紙『エル・パイス』によると、以前よりクラブから契約延長を打診されており、地元紙『ノティシアス・デ・ギプスコア』は2週間前の時点では、100%続投する意思を固めていたと報じている。
この一連の流れについて、大手ラジオ局『Cadena SER』で番記者を務めるロベルト・ラマホ氏は、記事を手掛けるスポーツ紙『AS』において、「イマノルは続投を希望していた。しかし公に認めることはないだろうが、彼はクラブを取り巻く外部の意見を非常に重視する人間で、最近、自身の采配に対して批判の声が急速に広がっていることを感じ取っていた。自分自身、そして何よりも愛するクラブを傷つけないため、寛大な心を持って、夢だったチームを率いることを諦め、身を引くことを決意した」と説明している。
就任7年目を迎え、マンネリ化がもたらす求心力の低下は多方面から指摘されており、『ラジオ・マルカ』の人気MC、ミゲル・キンターナ氏は、「近年、顔ぶれが変わってチーム内で"イマノル・チルドレン"が占める割合が減少し、以前のようにメッセージが届かなくなっていた。就任以来、情熱的な指導で、個々の才能に泥臭さを融合させ、躍進に導いてきたが、今シーズンはそのチーム全体が一体感を持って戦うソシエダらしさに陰りが見られる」と分析する。
その結果が、ヨーロッパリーグ(EL)とコパ・デル・レイから敗退し、リーグ戦での巻き返しが期待された中での終盤の停滞であり、現在17位に低迷するアラベスに敗れたことが引き金となって、決断を下した。
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さらに驚きだったのは、そのまた翌日、新監督にソシエダBを指揮するセルヒオ・フランシスコが内部昇格の形で就任すると発表されたことだ。この人事の舞台裏については、ホキン・アペリバイ会長が、「昨年12月の時点でイマノルに対し、続投しなかった場合は、セルヒオの昇格が既定路線だと伝えていた」と明かしている。
フットボールディレクターのロベルト・オラベも今シーズン限りで退任することがすでに決まっており、ソシエダは否応なくリスタートを切ることになる。
そんな中、地元紙『エル・ディアリオ・バスコ』は、「来シーズンの欧州カップ戦の出場権を逃した場合は、マルティン・スビメンディやタケ・クボ(久保建英)のような市場の注目銘柄となっている主力の移籍に関する話が過熱し、長い夏を過ごすことを強いられるリスクはある。しかし当時、降格圏付近を彷徨っていたのに対し、今現在、ソシエダは欧州カップ戦の出場権争いに顔を出している。加えて才能ある若手を数多く擁し、その多くと長期契約を結んでいる」と成長株のホン・アランブルやパブロ・マリン、移籍加入組のルカ・スチッチ、アルセン・ザハリャン、オーリ・オスカルソンら期待の若手の名前を列挙しながら、現チームとアルグアシルが監督に就任したばかりの2019年のチームを比較し、楽観的な見方を示している。
つまるところ、セルヒオ・フランシスコの昇格は、継続路線で若手の育成と強化を進めていくというクラブの意思表示に他ならない。問題は、スビメンディや久保がそれぞれの野心と照らし合わせて、そのクラブからのメッセージをどう受け止めるかだろう。欧州行きの望みをかけて戦う今シーズン残り5試合も含め、新監督は選出したものの、ソシエダの未来は波乱の様相を呈している。
文●下村正幸
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