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「純粋なエンターテインメント」インテルとバルサによる“完璧”なCL準決勝に各方面から賛辞! 殊勲者ゾマーは「バロンドール」候補!?

THE DIGEST編集部

2025.05.07

ドラマ性に溢れた試合は延長までもつれ込み、このフラッテージ(右から2人目)の一撃で決着がついた。(C)Getty Images

 現地時間5月6日に行なわれたチャンピオンズリーグ(CL)準決勝の第2戦、インテルはバルセロナを延長戦の末に4-3で下し、合計スコア7-6で2シーズンぶりの決勝進出を果たした。

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 サン・シーロでの決着戦は、インテルがラウタロ・マルティネスの速攻弾とハカン・チャルハノールのPKで第1戦同様に2点を先取し、その後にエリク・ガルシアとダニ・オルモのゴールで追いつかれるが、今回はバルサが終盤に勝ち越して(ラフィーニャ)、後半アディショナルタイムに突入。しかし、この絶体絶命の場面でフランチェスコ・アチェルビが右からのクロスをダイレクトで合わせ、土壇場で追いついた「ネラッズーロ」は、延長戦でダビデ・フラッテージがゴール左隅に決勝ゴールを突き刺した。

 第1戦を終えた後、マンチェスター・シティのペップ・グアルディオラ監督は「試合があんなにも美しかったことに驚いた。こういう試合があるから、スタジアムは決して空にならず、我々のビジネスも成長していく。今回の2つの準決勝には本当に感謝している。どちらも"メイド・イン・CL"の試合だった。特に昨日の試合(バルサ対インテル戦)は」と両チームを称賛したが、リターンマッチでもこのカードは極上のスリルと興奮、そしてドラマを見る者に提供した。

 イングランドのレジェンド・ストライカーであるアラン・シアラーは、コメンテーターを務めた『amazon prime』で「全てが詰まっていた。先週(第1戦)の始まりから今週の終わりまで、この準決勝の全てが純粋なエンターテインメントだった」「良い試合になるとは予想していたが、それ以上だった。インテルよ、バルサよ、2つの偉大な試合で素晴らしいエンターテインメントを見せてくれて、本当にありがとう。我々が目撃したのは、本当に特別なものだった。この場にいられて光栄だ」と、賛辞を惜しまなかった。

 英国の日刊紙『The Guardian』は、「インテルとバルサは、何度も限界まで自らを追い込み、そのたびにまだ出し切っていない力があることを証明してみせた。我々はもはや、戦術図やフォーメーション、常識といった枠を超えた領域にいた。両チームが完璧を追い求めるのをやめた時、皮肉にもそこに完璧が生まれた。完璧な演劇、完璧な緊張感、完璧な不完全さ、スタイルの完璧な衝突、そして完璧なバランス……」と、この一戦を表現している。
 
 一方、インテルの母国イタリアのスポーツ紙『Gazzetta dello Sport』は、「(敗北を確信して)90分でスタジアムを後にしたインテリスタたちは、二度と取り戻せない『純粋な人生の断片』を失った。一方、最後の瞬間まで残っていた者たちは、40年後でもこう語るだろう。『あの5月の夜、サン・シーロで知らない誰かと交わした抱擁を憶えている』『我々には、あのバルサ戦の4-3がある』と」と綴り、この勝利が歴史にも記憶にも残る特別なものであることを強調した。

 対してバルサの地元スポーツ紙『MUNDO DEPORTIVO』は、「バルサはこの試合、インテルよりも内容で勝っていた。だからこそ、決勝に相応しい存在だった。しかし、決定的な場面で輝いたインテルGKヤン・ゾマー、あらゆる判定がイタリア側に傾いたシモン・マルチニアク主審の酷い裁きが、偉大なバルサを『当然の報酬』であるはずの決勝から遠ざけた。バルサは誇り高く、堂々と敗れた。CLでは必ずしも、最良のチームが勝つわけではないのだ」と、敗れてなお、優勝候補筆頭としてのプライドを示している。

 UEFA(欧州サッカー連盟)のテクニカル・オブザーバー・グループから「多くの直感的で魔法のようなセーブでインテルを試合に留め、ラミン・ヤマルの得点を何度も阻み、チームを決勝へ導いた。スイス代表守護神による、重要なタイミングでの決定的な働きだった」と評され、「プレーヤー・オブ・ザ・マッチ」にも選定されたゾマーに対しては、スポーツ専門チャンネル『ESPN』が、以下のように言及した。

「ネラッズーロの戦士たちは、ほぼ全員が英雄だったが、最高殊勲者となったのは36歳のスイス代表GKだ。ゾマーの7本もの連続セーブが、両チームの命運を分けた。彼が今インテルにいる唯一の理由、それはこのクラブが2年前、アンドレ・オナナ(現マンチェスター・ユナイテッド)を手放さざるを得なかったからだ。長年の経営ミスと浪費により、財務の健全性の規則に縛られ、負債から逃れようとしていたことで、彼らはバイエルンから不要とされたGKを獲得することになった」

 スイス代表、バーゼル、ボルシアMG、今なお健在であることを改めて証明した守護神に対しては、スペイン・マドリーのスポーツ紙『MARCA』が「ゾマーの3つのスーパーセーブは、CLの歴史に刻まれた。ラミンへの2本のセーブ、そしてエリク・ガルシアの決定的なシュートを防いだ飛び出しは、インテルにミュンヘン(決勝開催地)行きのチケットをもたらした。一方で、バルサにとっては『暗黒の伝説』に……。明確なバロンドール候補がいない今年は、GKが受賞することになるのか?」と綴り、その働きを称えている。

構成●THE DIGEST編集部

【動画】インテル対バルセロナ CL準決勝第2レグハイライト
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