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海外サッカー

「圧倒的支配が懸念を呼んでいる」ACLEでの“サウジ勢優遇”に英紙も疑問符「明らかにアジア最強のクラブに…必要ない」

THE DIGEST編集部

2025.05.08

川崎を破ってACLEを制覇したアル・アハリ。(C) Getty Images

川崎を破ってACLEを制覇したアル・アハリ。(C) Getty Images

 今季のAFCチャンピオンズリーグ・エリート(ACLE)は、サウジアラビアのアル・アハリの優勝で幕を閉じた。


 現地時間5月3日に行なわれた決勝では、本拠地ジェッダでの試合開催というアドバンテージに恵まれ、ホームチームとしてベスト4の中で唯一東アジアから勝ち上がってきた日本の川崎フロンターレ相手に主導権を握り、35分にガレーノのミドルが鮮やかな弧を描いてゴール右上隅に突き刺さると、42分にはロベルト・フィルミーノの左からのクロスをフランク・ケシエが頭で合わせて加点、このリードを最後まで守り切って栄光の瞬間を迎えたのだった。
 
 2シーズン前には国内2部リーグでのプレーを強いられた1937年創設のクラブにとって念願の初大陸制覇は、前出のフィルミーノ、ケシエ、ガレーノの他、リヤド・マフレズ、エドゥアール・メンディといった、欧州サッカーのトップシーンでも活躍したワールドクラスらを迎え、チーム力を飛躍的に高めたことで成し遂げられたものだった。

 今季のACLEでベスト4のうちの3枠を占めたサウジ勢。同国勢同士による決勝という夢は川崎の“抵抗”によって来季以降に持ち越しとなったものの、すでにこのアジア王者を決めるコンペティションにおいて、圧倒的な最大勢力であることが示されたと言って良いだろう。

 2023年にサウジの公共投資基金(PIF)がアル・アハリとアル・イテハド、さらに首都リヤドのアル・ヒラルとアル・ナスルを買収して巨額の投資を始め、移籍市場に8億ポンド(約1528億円)を費やしたことで、アジアサッカーは様変わりした。

 英国の日刊紙『The Guardian』は、この中東の大国から生じた一大ムーブメントについて「ある意味では、ACLEにとってプラスとなった。アジアサッカー連盟(AFC)は、この広大な大陸で文化や市場が大きく異なる中、大会をどうプロモートすべきか分かっていなかった。そんなところに、クリスチアーノ・ロナウド(アル・ナスル)、カリム・ベンゼマ(アル・イテハド)、ネイマール(アル・ヒラル→現サントス)らが転がり込んできて、マーケティングは自然と進んだ」との見解を示している。

「突如としてACLEは、これまでにない規模で話題になった。唯一の例外は、10年ほど前に中国のクラブが大型投資を行なったことだが、それでも今回ほどの規模ではなかった。サウジのクラブは、巨額の投資を始める前からすでに競争力があり、そこに世界レベルの選手を加えたことで、ピッチ上での支配は予想通りだった」
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