リオネル・メッシとクリスチアーノ・ロナウドの後継者――サッカー界の大きなテーマのひとつであり、この２人のスーパースターの系譜を次いで王座に就く若き選手の出現をファンは待ちわびていることだろう。

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　その最有力候補は、キリアン・エムバペとアーリング・ハーランドだとされてきた。それぞれ26歳、24歳の若さながら、レアル・マドリー、マンチェスター・シティというビッグクラブで核として輝かしい実績を築いており、常にバロンドールの有力候補に挙げられるなど、新たな「王様」としての資格を十分に有していると言えよう。

　しかし、ここにきて彼らを追い抜いて王冠に手を伸ばそうとしている若者がいると、スポーツ専門チャンネル『ESPN』が指摘する。それが、バルセロナ＆スペイン代表の17歳の“至宝”ラミン・ヤマルと、パリ・サンジェルマンで一躍その名を轟かせた20歳のフランス代表アタッカー、デジレ・ドゥエだ。

「数年後、ミュンヘンのアリアンツ・アレーナは『サッカー界の新たな支配者』となったヤマルとドゥエの飛躍の地として語り継がれているかもしれない。チャンピオンズ・リーグ（CL）、ワールドカップ、バロンドール……これからの時代、ヤマルとドゥエが、新たなメッシとロナウドになる準備は整っている」

　2024年７月９日、当時16歳のヤマルはミュンヘンで行なわれたEURO2024準決勝のフランス戦で先制ゴールを挙げ、ペレの記録を塗り替えてメジャーイベントにおける史上最年少得点者となった。そして今年の５月31日、同じ場所でドゥエはインテルを５-０と圧勝したCL決勝で２得点を記録し、最年少かつ史上初めて決勝で複数得点を達成した10代の選手となるとともに、ヤマルを抑えてCLでの「最優秀若手選手賞」を受賞した。

　さらにアクラフ・ハキミの先制点をアシストしたことで、CL決勝でアシストを記録した史上最年少選手としてジュード・ベリンガムの記録も破ったドゥエ。今季、スターダムを駆け上がった彼は、しかしここまで到達する前にも多くの記録を樹立しており、レンヌ時代の2022年８月にはブレスト戦でゴールを挙げ、2005年生まれの選手として初めて欧州５大リーグで得点した選手となり、その６週間後のヨーロッパリーグ、ディナモ・キエフ戦では欧州カップにおけるフランス人最年少得点者（17歳４か月４日）という勲章を手にしている。

　ヤマルの実績については説明するまでもなく、前述のEURO2024では欧州王者の一員となり、今季はバルセロナで公式戦18ゴール・21アシストを記録し、ラ・リーガ優勝に大きく貢献。今年のバロンドールでは、最年少受賞者として有力な候補に名を連ねており、1997年のロナウド（21歳95日）が保持する記録を塗り替える可能性を秘めている。