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インテル、格下のはずの相手に完封負けでクラブW杯16強止まり…主将ラウタロは自チームに怒り、伊紙は「悲しみ・驚き・疲労が入り混じった夜」

THE DIGEST編集部

2025.07.01

試合前に挨拶を交わすインテルのラウタロ(左)とフルミネンセのチアゴ・シウバ(右)。(C)Getty Images

 現地6月30日に行なわれたFIFAクラブワールドカップのラウンド・オブ16で、イタリアのインテルはブラジルのフルミネンセに0-2の敗北を喫した。

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 開始3分でクロスがDFに当たって浮き上がったところをヘルマン・カノに頭で詰められてリードを許したインテルは、ボールポゼッション(68%)、シュート数(16対11)などのスタッツで上回ったものの、主導権はフルミネンセに握られる時間が長く、試合を振り出しに戻せなかった。後半アディショナルタイムには、こぼれ球をエルクレスに拾われてダメを押された。

 ベスト16でアメリカを去るインテルのクリスティアン・キブ監督は、「我々は自惚れていた。もっとフレッシュさを出すべきだった。キレのあるプレーや、チーム全体としての良い入り方も欠けていた。全力を出し切るという姿勢が足りず、フルミネンセの強度やプレッシャーに押されてしまった。見た目の美しさにこだわるのではなく、もっと実利的にプレーすべきだった」と反省の弁を口にした(イタリアのスポーツ紙『Gazzetta dello Sport』より)。

 一方、チャンピオンズリーグ(CL)準優勝チームの早期敗退という結果に怒りを隠さなかったのが、エースのラウタロ・マルティネスだ。アルゼンチン代表FWのキャプテンは、「このチームにいる以上、ここにいたいという気持ちがなければならない。それができないなら、去るべきだ」と、厳しい言葉を自チームに向けて言い放った。

「具体的には言わないが、気に入らなかったことが多くあった。今季は長くて厳しいシーズンで、いろいろなショッキングなこともあり、タイトルを獲れずに終わった。新シーズンはしっかり立て直さなければならない。この5年間で我々は多くのものを勝ち取ってきたし、『2つ目の星(通算20回目のセリエA優勝)』を獲得したシーズン(2023-24)のように、団結したグループであるべきだ」
 
 この発言は、ガラタサライ行きを望んでいると言われ、「最近はインテルのプロジェクトから少し距離を置いているように見える」(『Gazzetta dello Sport』紙)ハカン・チャルハノールに向けてのものだとされ、インテルのジュゼッペ・マロッタ会長もそれを認めている。キブ監督は主将の発言を受け、「皆が同じ方向に進むことは必要だ。特に我々のように、難しいシーズンを挽回したいと野心を持つチームにとっては重要なことである」と訴えている。

 一時は、セリエA、コッパ・イタリア、CL、スーペルコッパと、全てのタイトルを勝ち取る可能性があったにもかかわらず、いずれもあと一歩のところで逃し、「無冠」を回避する最後のチャンスだった今大会も、道半ばで戦いを終えることになった。クラブの専門メディア『SEMPREINTER.COM』は、「クラブW杯で、CL決勝(パリ・サンジェルマンに0-5の大敗)で失われた勢いを取り戻そうとしたが、今日の敗戦はその道のりがいかに長いかを痛感させられた」と報じた。

『Gazzetta dello Sport』紙は、「ここ1か月半、インテルには非現実的なほど多くのことが起きたが、今回はとりわけ『悲しみ・驚き・疲労』が入り混じる夜となった。63試合を戦った今季の過密日程による疲労も大きいが、それに加え、明らかに格下と見られていたフルミネンセにこのラウンドで敗れたという事実が、より深い失望をもたらした」と綴り、以下のように記事を締めている。

「2024-25シーズンは、クラブW杯での悔しさをインテルに残して幕を閉じることになった。CLでの敗退ほど心が痛むものではなかったかもしれないが、それでもラウタロが放った鋭い言葉(前述)は、シャーロット(試合開催地)の夜の空気にずっと残っていた」

 余談だが、フルミネンセの最終ラインを統率してクリーンシート達成に貢献した40歳の元ブラジル代表キャプテン、チアゴ・シウバが試合前にミランのマッシミリアーノ・アッレーグリ新監督と連絡を取り、"宿敵"インテルについて「いい情報」(本人談)を得ていたと同メディアは報道。「試合中はずっとミランのことを考えていた。ミラニスタはきっと、この結果を喜んでくれていると思う」という古巣愛に満ちたコメントを紹介している。

構成●THE DIGEST編集部

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