アトレティコ・マドリーにとって、昨夏の移籍市場は明確なターニングポイントとなった。近年、チーム力はやや下降傾向にあり、2023-2024シーズンは4位止まり。この結果を重く見たクラブは、フリアン・アルバレスを筆頭に、ロビン・ル・ノルマン、コナー・ギャラガー、アレクサンデル・スルロットら即戦力を次々と確保した。総投資額はおよそ2億ユーロ(約340億円)に達し、大型補強と縁がなかったクラブにとって稀に見る大盤振る舞いだった。
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クラブOBで評論家としても知られるパウロ・フットレ氏は、スペイン紙『ムンド・デポルティボ』で「GKからFWまで、全ポジションにおける補強は見事。これで全ポジションにレギュラー級を複数揃える理想的なスカッドが完成した。クラブの努力には脱帽する」と賛辞を贈った。
しかし、それから約1年が経過し、状況は一変する。国内外のタイトルを逃し、クラブW杯ではグループステージ敗退。2024-2025シーズンの「無冠」が確定した。『AS』でコラムを執筆するOBのキコ・ナルバエス氏は、「ここからはフロントの出番だ。メガクラックのフリアンが加入したことで踏み出した一歩を、新たな戦力の獲得で固める必要がある。(退団が濃厚な)アンヘル・コレアの代役に加え、左SB、CB、アンカー、インサイドハーフが補強ポイントだ。アトレティコがさらなる進化を果たすためには、これらのポジションを強化する必要がある」と力説した。
実際、2年連続での大型補強を求める声は、識者の間でも広がっている。理由は主に3つある。ひとつは無冠に終わったこと、ふたつ目はアントワーヌ・グリーズマン、コケ、ホセ・マリア・ヒメネスらに衰えが見られ、13年以上に渡るディエゴ・シメオネ政権の中で2度目(1度目はガビやディエゴ・ゴディンらが対象)の大がかりな世代交代が必要なこと、そして3つ目がアルバレスを除いた昨夏加入の大物3人がチームの主軸になりえていないことだ。
『ラジオ・マルカ』の人気MC、ミゲル・キンターナ氏は、この3つ目の理由に着目し、戦略的なミスを指摘する。
「ル・ノルマンはビッグクラブのDFリーダーとしては役不足で、ギャラガーは専門外の左サイドに追いやられ、スルロットは波が激しすぎて絶対的なCFとは言いがたい。しかもル・ノルマンとスルロットはすでに20代後半だ。今売っても高値は望めず、使い続けるにも中途半端な立ち位置では扱いが難しくなる。こうした問題は、資金力で劣るクラブが“即戦力型”の補強に依存したときに直面する典型例だ」
「アトレティコが進むべき道は、即戦力ばかりではなく、将来的な売却益が見込める若手や“掘り出し物”をうまく見つけることだ。たとえばアルバレスのような選手は、本来シティに9000万ユーロを支払って獲得するのではなく、もっと早い段階でリーベル・プレートから引き抜いておくべきだった。そうでなければ、すぐに資金が尽きて補強の幅が狭まってしまう」
すでにアトレティコは今夏の補強を進めており、現地2日に左SBのマッテオ・ルッジェーリ(22歳)をアタランタから獲得。インサイドハーフにはアレックス・バエナ(ビジャレアル、23歳)、アンカーにはジョニー・カルドーソ(ベティス、23歳)、そしてCBにはトッテナムのクリスティアン・ロメロ(27歳)の名前が候補として挙がっている。
文●下村正幸
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しかし、それから約1年が経過し、状況は一変する。国内外のタイトルを逃し、クラブW杯ではグループステージ敗退。2024-2025シーズンの「無冠」が確定した。『AS』でコラムを執筆するOBのキコ・ナルバエス氏は、「ここからはフロントの出番だ。メガクラックのフリアンが加入したことで踏み出した一歩を、新たな戦力の獲得で固める必要がある。(退団が濃厚な)アンヘル・コレアの代役に加え、左SB、CB、アンカー、インサイドハーフが補強ポイントだ。アトレティコがさらなる進化を果たすためには、これらのポジションを強化する必要がある」と力説した。
実際、2年連続での大型補強を求める声は、識者の間でも広がっている。理由は主に3つある。ひとつは無冠に終わったこと、ふたつ目はアントワーヌ・グリーズマン、コケ、ホセ・マリア・ヒメネスらに衰えが見られ、13年以上に渡るディエゴ・シメオネ政権の中で2度目(1度目はガビやディエゴ・ゴディンらが対象)の大がかりな世代交代が必要なこと、そして3つ目がアルバレスを除いた昨夏加入の大物3人がチームの主軸になりえていないことだ。
『ラジオ・マルカ』の人気MC、ミゲル・キンターナ氏は、この3つ目の理由に着目し、戦略的なミスを指摘する。
「ル・ノルマンはビッグクラブのDFリーダーとしては役不足で、ギャラガーは専門外の左サイドに追いやられ、スルロットは波が激しすぎて絶対的なCFとは言いがたい。しかもル・ノルマンとスルロットはすでに20代後半だ。今売っても高値は望めず、使い続けるにも中途半端な立ち位置では扱いが難しくなる。こうした問題は、資金力で劣るクラブが“即戦力型”の補強に依存したときに直面する典型例だ」
「アトレティコが進むべき道は、即戦力ばかりではなく、将来的な売却益が見込める若手や“掘り出し物”をうまく見つけることだ。たとえばアルバレスのような選手は、本来シティに9000万ユーロを支払って獲得するのではなく、もっと早い段階でリーベル・プレートから引き抜いておくべきだった。そうでなければ、すぐに資金が尽きて補強の幅が狭まってしまう」
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文●下村正幸
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