現地時間７月９日に行なわれたFIFAクラブワールドカップ準決勝で、パリ・サンジェルマンはレアル・マドリー相手に４-０の大勝を飾った。

【動画】パリSGがレアルを圧倒！  圧巻４発をぶち込む快勝劇
　ついに悲願のチャンピオンズリーグ制覇を果たしたルイス・エンリケ率いるパリSGと、シャビ・アロンソを新監督に迎えて新チームの構築に着手したばかりのマドリーがいかなる戦いを展開するかは非常に興味深いものだったが、序盤にマドリーDFのミスとウスマン・デンベレの勤勉さと抜け目のなさによって開始９分までに２点を先取した欧州王者は、90分を通して組織としての完成度の高さを見せつけ、追加点での場面では個人技の高さも加わり、相手守備陣を翻弄してみせた。

  　一方的な決着となった黄金カードについては各国のメディアが注目し、ブラジルの総合サイト『Globo』は「パリSGによる『サッカー教室』が、マドリーにとって道のりは長いものであることを示した」と題した記事で、「わずか23分で３点を奪ったという事実だけで、パリSGの圧倒ぶりの説明がつく」と伝え、以下のように続けている。

「まるで欧州の冬のような冷静さで前線からプレスを仕掛け、激しくも調和のとれた動きで攻撃を展開し、ポジショナルプレーの中でも完璧にスペースを活用。あとはペースをコントロールするだけだった。この試合は、X・アロンソ監督にとって、強力な攻撃力を持つ相手にどう対処するべきかという大きな課題を突きつけた」

　スポーツ専門チャンネル『ESPN』は、「パリSGのマドリー相手の圧勝は『世界最強』の証明」と報じ、「ペップ・グアルディオラ監督時代のバルセロナは、史上最高のクラブチームと広く評価されているが、L・エンリケのパリSGも、その『偉大なチーム』の議論に加えるべき段階に来ていると言えるだろう」と、最大級の賛辞を贈った。

　またその優れた点として、「中盤にヴィティーニャ、ジョアン・ネベス、そしてこの試合で２ゴールを挙げた、過小評価されがちなファビアン・ルイスを擁しており、かつてのバルサの中盤同様にゲームを支配。彼らはジュード・ベリンガム、オーレリアン・チュアメニ、アルダ・ギュレルで構成されたマドリーの中盤を完全に圧倒した」と指摘し、さらにその姿勢も称賛した。

「バルサにはリオネル・メッシという天才がいたが、パリSGは個々が優れているだけでなく、それらが一体となって、相手よりもはるかに懸命にプレーしている点が、バルサとの違いだろう。ハーフタイム時点のFIFAの統計では、ボール奪回にかかった平均時間は、マドリーが45秒だったのに対し、パリSGは23秒とほぼ半分。このチームはタレントが揃っているだけでなく、努力もしている。だからこそ、パリSGは現時点で世界最強、そして史上最強チーム候補でもあるのだ」