レアル・マドリーは2024-25シーズン、ラ・リーガで2位、コパ・デル・レイで準優勝、そしてチャンピオンズリーグ(CL)は準々決勝敗退と、いずれの主要タイトルにも手が届かなかった。
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UEFAスーパーカップとインターコンチネンタル・カップは勝ち取ったものの、到底満足できない結果に終わった「白い巨人」。失望をより大きくしたのは、勝利に見合うだけの十分な戦力を擁していたことだ。結果的にマンチェスター・シティのロドリが選出されたものの、下馬評では2024年のバロンドール受賞候補の筆頭とされていたヴィニシウス・ジュニオールと、昨夏の移籍市場の主役としてパリ・サンジェルマンから加入したキリアン・エムバペが前線に並んだマドリーは、全てのコンペティションで優勝候補だった。
融合すれば、凄まじい破壊力を生み出すだろうと期待された2人のスター選手は、しかしなかなかコンビとして機能しなかった。ともに前線左サイドで最も力を発揮できるという条件下で、カルロ・アンチェロッティ監督(当時)はエムバペにCFという仕事を与えたが、それゆえかフランス代表のエースは序盤に力を発揮できず、各方面から批判を浴びる羽目となり、ヴィニシウスも前のシーズンほどの輝きを見せられなかった。
その状況を、スペインのスポーツ紙『as』は改めて振り返り、マドリーがプレーした6240分間(全68試合)のうち、両選手がともにピッチに立っていた3439分間(つまりシーズンの55%)のデータによって、「彼らが同じチームでは相性が良くない」ことを証明している。
まず、ヴィニシウスはシーズン通算で1315本のパスを出したが、そのうちエムバペに通ったのはわずか202本。本来、最も近い位置にいることもあって絡む機会が多いはずだが、割合としては15%止まり。逆にエムバペからヴィニシウスへのパスは全体(1413本)の13%となる184本ということで、「この際立った数字から、両者が互いにパスを出そうとしていないことが明白だ」と同メディアは分析している。
エムバペは中盤戦以降、得点のペースを上げ、最終的にはラ・リーガで31得点(公式戦44得点)を記録して得点王。さらに欧州ゴールデンシューも獲得し、マドリーの加入1年目における得点記録も更新してその能力を示したが、それでも1ゴールを挙げるのに要する平均時間は前のシーズンの「88分」から「108分」に増加し、得点関与(ゴール&アシスト)においても「72分」から「97分」と悪化したという。
ヴィニシウスも同様で、前者は「129分」から「211分」、後者は「88分」から「113分」と、エムバペ以上に数字は落ちている。同メディアは、「ヴィニシウスはシーズン終盤に深刻な不調に陥り、最後の11試合で決めたゴールはCL準々決勝アーセナル戦の1点のみ。彼のシーズンは、バロンドール以前と以後に分けられるようで、ゴールの36%がバロンドール以前のわずか3か月間に集中している」と指摘した。
揃ってゴールを決めた試合がシーズンでわずか3試合と、「『どちらか一方が輝けば、もう一方が陰る』という、相反するパフォーマンス」に終わった2人のスターの「共存」は、チームを強化する上では不可欠。シャビ・アロンソ新監督の試行錯誤も始まっており、クラブワールドカップ準決勝のパリSG戦ではヴィニシウスを右サイドに配置するというサプライズ采配を見せたものの、これは“短命”に終わった。ブラジル人FWからも不評だったという。
同メディアは、「ヴィニシウスとエムバペの個々の才能に疑いの余地はない。しかし、問題はそこではなく、『どうすれば2人を共存させられるか?』にある。アンチェロッティが彼らの連係構築に失敗した後、新指揮官にとってそれは、新シーズンへ向けての大きな課題となっている」と記事を締めたが、果たしてレバークーゼンで見事な采配をみせてきたバスク人監督は、いかなる解決策を見出すのか、注目が集まる。
構成●THE DIGEST編集部
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融合すれば、凄まじい破壊力を生み出すだろうと期待された2人のスター選手は、しかしなかなかコンビとして機能しなかった。ともに前線左サイドで最も力を発揮できるという条件下で、カルロ・アンチェロッティ監督(当時)はエムバペにCFという仕事を与えたが、それゆえかフランス代表のエースは序盤に力を発揮できず、各方面から批判を浴びる羽目となり、ヴィニシウスも前のシーズンほどの輝きを見せられなかった。
その状況を、スペインのスポーツ紙『as』は改めて振り返り、マドリーがプレーした6240分間(全68試合)のうち、両選手がともにピッチに立っていた3439分間(つまりシーズンの55%)のデータによって、「彼らが同じチームでは相性が良くない」ことを証明している。
まず、ヴィニシウスはシーズン通算で1315本のパスを出したが、そのうちエムバペに通ったのはわずか202本。本来、最も近い位置にいることもあって絡む機会が多いはずだが、割合としては15%止まり。逆にエムバペからヴィニシウスへのパスは全体(1413本)の13%となる184本ということで、「この際立った数字から、両者が互いにパスを出そうとしていないことが明白だ」と同メディアは分析している。
エムバペは中盤戦以降、得点のペースを上げ、最終的にはラ・リーガで31得点(公式戦44得点)を記録して得点王。さらに欧州ゴールデンシューも獲得し、マドリーの加入1年目における得点記録も更新してその能力を示したが、それでも1ゴールを挙げるのに要する平均時間は前のシーズンの「88分」から「108分」に増加し、得点関与(ゴール&アシスト)においても「72分」から「97分」と悪化したという。
ヴィニシウスも同様で、前者は「129分」から「211分」、後者は「88分」から「113分」と、エムバペ以上に数字は落ちている。同メディアは、「ヴィニシウスはシーズン終盤に深刻な不調に陥り、最後の11試合で決めたゴールはCL準々決勝アーセナル戦の1点のみ。彼のシーズンは、バロンドール以前と以後に分けられるようで、ゴールの36%がバロンドール以前のわずか3か月間に集中している」と指摘した。
揃ってゴールを決めた試合がシーズンでわずか3試合と、「『どちらか一方が輝けば、もう一方が陰る』という、相反するパフォーマンス」に終わった2人のスターの「共存」は、チームを強化する上では不可欠。シャビ・アロンソ新監督の試行錯誤も始まっており、クラブワールドカップ準決勝のパリSG戦ではヴィニシウスを右サイドに配置するというサプライズ采配を見せたものの、これは“短命”に終わった。ブラジル人FWからも不評だったという。
同メディアは、「ヴィニシウスとエムバペの個々の才能に疑いの余地はない。しかし、問題はそこではなく、『どうすれば2人を共存させられるか?』にある。アンチェロッティが彼らの連係構築に失敗した後、新指揮官にとってそれは、新シーズンへ向けての大きな課題となっている」と記事を締めたが、果たしてレバークーゼンで見事な采配をみせてきたバスク人監督は、いかなる解決策を見出すのか、注目が集まる。
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