さらに『MARCA』はエムバペのパフォーマンスを以下のように評す。「かつては、誰でも容易に抜き去れるという自信から、恐れることなく仕掛けていた。しかし、ピッチ上で異なる役割に適応する必要性や、選手としての成熟が、彼の本質を根本から変えることになった。そして依然として速く、技巧的であるものの、今ではむしろ決定力を優先するCFのように見られている」
  　オサスナ相手に積極性を取り戻したのには、指揮官としてリーガ・デビューを果たしたシャビ・アロンソの采配も大きかったという。

「彼の戦術マニュアルには、エムバペのプレーを助ける必須ルールがある。トロサ出身の指揮官にとって、全ての駒の流動性は、自身のサッカー理念に意味を持たせるために不可欠な要素なのだ。ポジションは常に埋められていなければならないが、必ずしも同じ選手が埋める必要はない。この仕組みをフランス人選手は今夏の開幕戦で存分に生かし、その潜在能力を解き放った。この変化が、かつて相手にとって手のつけられない存在となった“恐怖のエムバペ”が復活する助けとなった」

　X・アロンソ監督は、「（エムバペは）より多くのものを欲していると感じる。日々の中で、それが見て取れる。10番になったからなのかは分からないが、それは確かに感じる」と、チームの命運の鍵を握る存在の現状をポジティブに捉えている。

　そして、彼の得点によって白星スタートを切った開幕戦を「良かった点もあれば、改善すべき点もあった。道のりは長い。少しフレッシュさが欠けていた。それでも、勝利は安心感をもたらす。改善のために分析すべきことがある」と振り返った。

構成●THE DIGEST編集部

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