リバプールの地元紙『ECHO』も、チームのメンタルや姿勢に言及し、「このチームは、監督のためにプレーしていないように見えるわけではないし、現状を改善するための努力を怠っているようにも見えない。しかし、自信は底をつき、信念は失われ、粘り強く戦う心の余裕はとうに蒸発してしまった。序盤の失点ひとつで、スロット監督率いるチームは『この試合に勝てる』という確信を失ってしまう……そして今回もまた、早い段階でのPKによって、その通りの展開になった」と綴っている。
  　また同メディアは、「これまでの残酷なプレミアリーグでの歩み（６勝６敗の12位）に対し、CLは救いとなるはずだった。しかしアンフィールドでの再度の“惨劇”は、クラブの権力中枢で不快な議論を引き起こすかもしれない。ロッカールームから、もしかすると取締役会にまで及ぶかもしれない」と、オランダ人指揮官の去就にも動きが起こる可能性を示唆した。

　スロット監督自身はPSV戦後、「私は安心している。上層部からは、多大なサポートを受けている。監督として上手くいっていない以上、疑問が投げかけられるのは当然のことだが、自分自身の立場について問題はない。難しい状況に置かれるのは初めてではない。そろそろ、状況を反転させる時だ。（クラブ経営陣とは）多くのことを話し合っており、彼らはチームにも、私にも協力的であり、普段の会話の中で私は信頼を感じている」と語っている。

　しかし『ECHO』紙は、「もしスロット監督の将来に関して、この試合は大きな影響を与えないだろうと考えられていたとしても、来週にはウェストハム、サンダーランド、リーズとのプレミアリーグ３連戦が控えている中、このあまりにも酷い内容は無視することは不可能である」と主張する。

「確かに彼は今季、多くの不運な状況に見舞われ、それらの幾つかは、どれほどの経験を積んでいても対処できないような問題だ。しかしこのチームは、監督や仲間のために戦う気概を持っているようには見えない。自身のためにも、スロット監督は今、何人かを容赦なく外すか、全く新しいゲームプランを考案するしかない。このまま続けることは、無意味な自傷行為だ」

　こう綴った同メディアは、「スロット監督は“反応”を必要としている。選手たちが、彼の下で結束しているという姿を見せる必要がある。そして何よりも、勝利が必要だ。もう逃げ道はなく、疑う余地もない。もう限界だ。スロット監督が仕事を続けられる猶予は、来週が最後になるかもしれない」と記事を締めている。

構成●THE DIGEST編集部

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