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海外サッカー

デビュー戦から2試合連続決勝弾!バイエルンの若き救世主・ザークジーのルーツとは?

遠藤孝輔

2020.02.28

選手層が厚いため、コンスタントには出場機会を与えられていないが、バイエルンは焦らずじっくりと育てていく方針だ。(C)Getty Images

選手層が厚いため、コンスタントには出場機会を与えられていないが、バイエルンは焦らずじっくりと育てていく方針だ。(C)Getty Images

 そして手放す気はなかったフェイエノールトの意向に反して、ザークジー(と実父)は早期の国外チャレンジを決意する。

 名門で1シーズンを過ごした後、同胞のロナルド・クーマンがトップチームを率いていたエバートン・ユースの練習に参加。フェイエノールトに無許可という強硬策をとり、ドーバー海峡を渡ったのである。

 そのエバートンとの契約間際に、ザークジーの運命を変えるオファーが舞い込む。ラブコールの送り主はバイエルンだった。すぐに交渉の席についたザークジーは後年、母国の専門誌『パナ』でこう回想している。

「彼らのプランはすごく良かった。自分を改善するために、バイエルンが最良の選択肢のように思えたんだ」
 
 こうしてフェイエノールトを離れたザークジーは、まずバイエルンU-17でプレー。U-17ブンデスリーガ南・南西地区で16試合・15ゴールと結果を残し、加入2年目の18-19シーズンにはトップチームのUSAツアーに同行し、パリ・サンジェルマンとのプレシーズンマッチで1ゴールを奪う。

 しかし、プロ契約を掴み取るまでには至らず、U-19およびセカンドチームで研鑽を積むことになった。

 バイエルンの焦らずに、じっくり育てる方針が正しかったのは、冒頭に記したとおり。持ち前のテクニックやゴールセンスに磨きをかけたザークジーは今シーズン、怪我人が続出したトップチームに引き上げられると、チャンスを見事に活かしてみせた。

 190cmを超える身長や長髪のドレッドヘアーという風貌に加え、抜群のシュート技術を誇ることから、よく例えられるのはピエール・ファン・ホーイドンク。

 同胞のそのレジェンドを超えるかどうか判断するのは時期尚早だが、デビュー時のインパクトは同じバイエルン・ユース上がりのトーマス・ミュラーやトニ・クロースを優に上回る。ワールドクラスに飛躍する可能性を秘めた逸材なのは間違いない。

■Joshua ZIRKZEE
ヨシュア・ザークジー(バイエルン/オランダU-19代表)
生年月日/2001年5月22日(18歳)
出身地/スヒーダム(オランダ)
身長・体重/193cm・84kg
主要ポジション/CF、セカンドトップ
A代表/未招集
ユース年代の代表歴/オランダU-15、U-16、U-17、U-18、U-19
キャリアの転機/16歳でバイエルンの下部組織に加入(17年8月)

文●遠藤孝輔
 
※『ワールドサッカーダイジェスト』2020年2月20日号より転載
 
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