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海外サッカー

オランダ代表の“名勝負“5選――伝説となった二つのボレー弾。強烈すぎたファン・バステンとベルカンプの輝き

遠藤孝輔

2020.07.17

フランスW杯でのベルカンプ(中央)の美技は語り草だ。(C)Getty Images

フランスW杯でのベルカンプ(中央)の美技は語り草だ。(C)Getty Images

1998年7月4日 フランスW杯準々決勝
vsアルゼンチン 〇2-1
得点者/オランダ=クライファート、ベルカンプ
    アルゼンチン=C・ロペス

 攻撃的な姿勢を前面に押し出した両国は、ハーフタイムまでに1ゴールずつを奪取。どちらもポストを叩く一撃を放つなど、一進一退の攻防を繰り広げた。後半にはそれぞれ退場者を出すほどヒートアップ。その死闘の結末が衝撃的であり、娯楽性に富んだ一戦の締め括りにも相応しかった。

 勝負を決めた男はデニス・ベルカンプ。後半終了間際、50メートル級のロングフィードを一度もバウンドさせずに、ペナルティーエリア内で完璧にトラップ。2タッチ目で名手ロベルト・アジャラをかわし、見事なハーフボレーを突き刺したのだ。

 ワールドカップ史とファンの脳裏に深く刻み込まれるスーパーゴールで南米の雄を退けたオランイェは、78年大会以来20年ぶりとなる準決勝進出を果たした。

2010年7月11日 南アフリカW杯
vsスペイン ●0延長1
得点者/スペイン=イニエスタ

 78年のアルゼンチン大会以来、32年ぶりの決勝進出を果たしたオランダは、EURO2008に続くメジャートーナメント連覇を狙うスペインと激突。この日のオランイェは“勝負の鬼”になった。

 伝統の攻撃的なスタイルをかなぐり捨て、マルク・ファン・ボンメルとナイジェル・デヨングの両ファイターを中心に、ファウルを厭わない死に物狂いのディフェンスを披露。ただし、ベタ引きで守る腰の引けたような戦い方ではなく、果敢にボールを狩りに行き、高速カウンターからゴールを目指した。

 そして、後半にはいずれもヴェスレイ・スナイデルのお膳立てから、ロッベンに二度のゴールチャンスが到来する。このうちひとつでも決まっていれば、サッカーの近代史はまた変わっていただろう。
 
2014年6月13日 ロシアW杯グループステージ
vsスペイン 〇5-1
得点者/オランダ=ファン・ペルシ②、ロッベン②、デ・フライ
    スペイン=シャビ・アロンソ

 スコアのインパクトだけで判断するなら、断トツのナンバーワンだろう。前回大会決勝の再現となったブラジル・ワールドカップの初戦で、セカンドユニホームに身を包んだオランダが鮮烈なリベンジを成し遂げた。

 PKで先制を許すも、ハーフタイム直前にロビン・ファン・ペルシのスペシャルなダイビングヘッドで同点に追いつく。そして、後半に怒涛のゴールラッシュを披露。まずはアリエン・ロッベンが前記のベルカンプ弾に通ずる美技で逆転弾を決める。その後、セットプレー→相手GKのミス絡み→ロッベンのソロで3点を追加。王者スペインを文字通り木っ端微塵にして、世界中の度肝を抜いてみせた。

文●遠藤孝輔

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