ラピノーは、他の受賞者と同様、ともに戦った仲間たち、支えてくれたパートナーや家族に礼を述べた後、毅然とした口調でサッカー界に蔓延している人種差別の撲滅、女性の権利の確立、そして男女格差の是正を求めた。

「今の私に、最も影響を与えた出来事があります。ラヒーム・スターリングとカリドゥ・クリバリへの差別、イランで焼身自殺を図った女性、メジャーリーグサッカーでも見られた選手への差別です」

「スターリングとクリバリは、嫌悪すべき人種差別に対して素晴らしい反応をした。おそらく彼らは人生を通じてそうするでしょう。ここにいる皆さんが、もし意味のある変化を望んでいるのなら、スターリングとクリバリに対する人種差別、同性愛に対する差別、賃金の格差や投資不足に怒りを覚えているのなら、それは私にとってとても刺激的なことです」 「私たちはプロのサッカー選手であるという、信じられないほど幸運なチャンスに恵まれ、成功を収めることができている。ここにいる皆さんには、サッカーという美しく素晴らしいスポーツを通じて、世界を、社会をよりよくするために活動してほしいと願います」

　ラピノーの呼びかけに、会場からは大きな拍手が送られていた。これに応え、サッカー界に蔓延しつつある黒人選手への差別的なチャントや社会問題は、解決の道を見つけられるだろうか。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部