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日本代表

「もう帰って来られないかもしれない。そういう想いもあった」"奇跡の生還"を果たした青山敏弘が偽らざる心境を語る【独占インタビュー前編】

サッカーダイジェスト編集部

2019.10.10

1月のアジアカップでは、ウズベキスタン戦に出場し、2―1の勝利に貢献した。写真:茂木あきら(THE DIGEST写真部)

1月のアジアカップでは、ウズベキスタン戦に出場し、2―1の勝利に貢献した。写真:茂木あきら(THE DIGEST写真部)

――離脱前に森保(一)監督とは、どんな話を?

 話というより、とにかく、僕の怪我の状態を心配してくれました。

――アジアカップを最後に、約半年も戦列から離れました。

 手術をすれば、少し長引くのは分かっていたので、それはせずに、とにかく早く復帰したい一心でした。身体の使い方を右膝に負荷がかからないようにしながら、トレーニングをしてきました。

――慎重に様子を見ながら?

 その通りです。膝自体は良い時期が間違いなくあった。ただ、リバウンドで良くなったり悪くなったりを繰り返していました。練習の強度を上げてそれがなくなってきて、練習試合にも何度か出て、順序を踏みながらトレーニングをしていました。


――その間、何を考えましたか?

 自分がどういう状態でチームに戻るのか、どんな役割で新しいチームに入っていくのか。でも、その難しさも感じていましたね。
 
――難しさとは?

 今年のチームはもうできていたので、そのなかに自分がどうプラスアルファをもたらしてチームに入っていけるのか。もしかしたら入らないほうがプラスに働くかもしれないし、言ってしまえば、もう自分は必要ないんじゃないかなって。それくらいチームは良い方向に向かって、良いものを作り上げていたので。

――葛藤があったと。


 自分の影響力があるのは知っている。だからと言って、若くて良い選手が出てきたのに、彼らの邪魔をしたくない。このチームが新しいチームになっていくなかで、自分がどう……。分からないですよ。うん……、分からないですけど、とにかく、怪我もあって上手くいかないなかで、一歩引いて色々と思っていました。

――たしかに今季は、同じボランチでは川辺(駿)選手など、若手が台頭しています。

 世代交代ですよね。こんなにチームが若返っていくのを、まざまざと見たのは初めてでした。チームが良い方向に向かっていくなか、僕らの世代はどんどんいなくなっていく。若手の波に飲まれていくなかで、心境は難しいし、危機感もありました[編集部・注/今季は同世代の水本裕貴(夏に松本へレンタル移籍)、柴﨑晃誠、林卓人らが出番を減らし、代わりに若手の荒木隼人、森島司、大迫敬介などが台頭している]。

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