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Jリーグ・国内

「未練がなくはない」それでも酒井高徳がJリーグ復帰を決めた理由とは?【独占インタビュー後編】

多田哲平(サッカーダイジェスト編集部)

2019.11.11

チームのまとめ役までになったハンブルグ時代。2部降格など浮かばれない時期を過ごしたが、精神的に成長した。(C)Getty Images

チームのまとめ役までになったハンブルグ時代。2部降格など浮かばれない時期を過ごしたが、精神的に成長した。(C)Getty Images

――外国籍枠がなく様々な国籍の選手がいるブンデスリーガでの経験が活きそうです。

「そうですね。国籍が違っても、ひたむきな姿勢って伝わるものです。例えば『ドイツにいたんだぜ、日本代表にも選ばれたんだぜ』って自慢気にしていたら、チームには受け入れてもらえない。でも逆にそんな僕が、必死に走っている姿を見せれば、信頼してもらえて、チームメイトを『自分ももっとやらなきゃ』とやる気にさせられる。人に何かを求めたり、意見したりする時は、それなりのことをしていなければいけない、ってことです。

 ドイツで僕は、やるべきことをやっていたので、ほとんど言い返されたことはないです。だから、いろんな人種がいるチームでも、キャプテンを任せてもらったんだと思う。当時の(マルクス・)ギスドル監督には、『お前の話にはみんな耳を傾ける。それはキャプテンとして最も大事な素質だ』と言ってもらいました。そういう周囲に影響を与える力はついたはずです」


――特に神戸には、世界でも有名な選手がいます。

「凄いですよ。つい、この間までテレビで観ていた選手が目の前でプレーしていますから。ダビ(ダビド・ビジャ)なんてチャンピオンズ・リーグの決勝で点を取っている選手ですし、アンドレス(・イニエスタ)だって、バルセロナでキャプテンを務めた選手。今では一緒にいるのが、少し当たり前になってきていますけど、3日に1回くらい、ふと思い出すんですよ。『やっぱりこの人たちは凄いな』って。僕がファンだったらサインや写真を求めたいくらい(笑)。でも今はチームメイトですからね。どこでやっていたかは関係なく、言いたいことは言わないといけません」
 
――もちろん刺激は大きい?

「普段からいろんなことを学んでいます。世界の第一線で活躍していたプロフェッショナルは、私生活や練習の態度もやっぱり一流ですよね」

――日本に帰ってきて、また新たな刺激を受けて、日本代表への想いは再び芽生えてきませんか?[編集部・注/ロシア・ワールドカップ後に、日本代表から退くことを宣言した]

「実は戻る気です、って言ってほしいですか?(笑)  全然その想いはないです。みんなその質問をしてきますが、逆に訊きたいです、『僕をどこに入れるんですか』って。(長友)佑都くんや、(酒井)宏樹を使うでしょ。僕が行く必要ないでしょ。別に自分が試合に出られないから行きたくない、ということではないですよ。サブに僕がいたら、計算が立つでしょう。その自信はあります。でも僕は3年後のカタール・ワールドカップでは31歳。そんな選手がベンチに居座るよりは、海外に出たての安西(幸輝)くんや冨安(健洋)たち若手がいたほうが、はるかに日本の未来になるはずです」

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