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日本代表

シュート1本で歴史的勝利のフィンランド。笑顔なき殊勲者は「エリクセンの気持ちを尊重した」

THE DIGEST編集部

2021.06.14

 殊勲の決勝点を挙げるも、その瞬間に笑顔のなかったポーヤンパロは試合後、「ゴールの瞬間は、自分がEUROにおけるフィンランド人の初得点者になったという思いが頭の中を駆け巡った」というが、それよりもエリクセンへの想いの方が強かったとして、「我々は彼が順調に回復することを願っている」とメッセージを送った後、試合中断から再開までの経緯を明かした(フィンランドのメディア『HS』より)。

「比較的近いところでエリクセンが倒れるのを見ており、良くない状況だと思った私は、主審にすぐ医療チームを読んだ方がいいと叫んだ。どこまで深刻なのかは分からなかったが、彼が生きるために戦っているのを見た。その時点で、サッカーことは頭から遠ざかり、彼が助かることだけを願っていた」

「その後、エリクセンの容態が安定し、合併症もないだろうとの情報が届き、また彼が試合を続行することを望んでいると聞いた時、自分の中で前向きな気持ちが生まれてきた。頭を試合に切り替えなければ、と考えた。デンマーク側がどんな決定を下しても、我々は可能な限りの方法で彼らをサポートしようと思っていたが、彼らはエリクセンの気持ちを尊重してプレーの再開を望んだ」
 
 また、決勝アシストのウロネンは、EURO初出場を誇りに思い、試合前のウォーミングアップでは嬉しさがこみ上げていたが、その後の様々な出来事によって「感情がジェットコースターのようになった」と明かし、「試合再開後は笑顔にはなれず、ただプレーするだけだった。まだ勝利を祝う気にはなれない。エリクセンが無事であることが、何より良いことだ」と心情を吐露した。

 一方、初戦を落としたデンマークのキャスパー・ヒュルマンド監督は、アクシデント時の選手の対応や、精神的に厳しい中で試合をやり遂げたことに対して、「どれだけ褒めても褒め足りない」と語ったが、この夜は誰もが勝敗は度外視で、サッカー界の仲間の無事を祈り続けたのだった。

構成●THE DIGEST編集部

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