また、スペインのマドリードに拠点を置くスポーツ紙『MARCA』は、資産運用会社「ディアゴナル・インベルシオネス」でバルサの財政事情に詳しいマルク・シリア氏の見解を紹介。メッシの離脱がスポンサー収入においてクラブに「深刻な影響を与えるのは明らか」と予測し、ユニホームスポンサーの「楽天」がメッシのいないバルサに年間5500万ユーロ（約72億円）を支払うのか、新加入メンフィス・デパイらによるグッズ収入がメッシのそれの穴をどれだけ埋められるか、などの問題点を挙げた。

　さらに同氏は、クラブの価値を上げるためには、複数回のCL優勝が必要であると訴え、さらにアンス・ファティら、「カンテラ（バルサの下部組織）」出身の生え抜き選手を新たなシンボルとすることも、中期的な観点から必要だとしている。

　いずれにしても、チームもファンも、大きな喪失感を抱いて新シーズンを迎えるのは間違いない。バルサの専門メディア『EVERYTHING BARCA』は「厳しい状況だが、喪失感に屈服することはできない。現状を受け入れ、未来へ進む必要がある。予想より早かったが、メッシ退団はいずれ訪れるものであり、バルサはそれに備える必要があった」と記し、ロナウド・クーマン監督の新チームの予想陣容を、以下のように３-５-２システムに当てはめて紹介した。
  GK：マルク＝アンドレ・テア・シュテーゲン
右CB：オスカル・ミンゲサ（エリック・ガルシア）
左CB：ロナルド・アラウホ
中央CB：ジェラール・ピケ（クレマン・ラングレ）
右WB：セルジーニョ・デスト（エメルソン・ロイヤル）
左WB：ジョルディ・アルバ（アレハンドロ・バルデ）
守備的MF：セルヒオ・ブスケッツ（ニコ・ゴンサレス）
攻撃的MF：ペドリ（リキ・プッチ）
攻撃的MF：フレンキー・デヨング（ガビ）
FW：メンフィス・デパイ（マルティン・ブライトワイト）
FW：セルヒオ・アグエロ（アントワーヌ・グリエースマン）

　はたして、大黒柱なきバルサはいかに変わるのか。クラブの動向に世界が注目している。

構成●THE DIGEST編集部