エムバペのチームとしてのタイトル歴について、パリSGという国内で敵なしのチームに所属しているから、という厳しめの見方もあるが、同メディアは彼の最初のリーグ優勝はモナコで達成されたものであることを指摘して反論。個人賞の多さから見ても、その実力が際立っていると認めている。

　そんなエムバペを、メッシは数で上回り、さらに22歳で早くも最初のバロンドールを受賞するなど、やはり選手としての熟成の速度でも上を行っているが、この両者の差は才能の違いというより「メッシがよりコンペティティブなリーグでプレーしていたことが大きい」と同メディアは分析する。

　この２人に比べると、22歳のC・ロナウドはやや見劣りの感が否めない。しかし、彼は翌年に最初の欧州制覇を果たし、2009年にマドリーに移籍。４回のチャンピオンズ・リーグ、５回のバロンドール、計５回の各国リーグ得点王等、歴史に残るタイトルホルダーへと昇り詰めていった。

　エムバペが同じマドリーでの挑戦に向かっているのは、「彼のアイドルであるC・ロナウドの域に達するため」であるという。
  　実績では「ビッグ２」に引けをとらないエムバペだが、同メディアは「彼はそれを（メッシやC・ロナウドがやったように）今後10年間続けなければならない」と継続性が必要だと主張する。

　偉大な先達と肩を並べられるかどうかの答えが出るのは、まだ先だ。しかし、今後さらなる環境の良化が望めるだけに、歴史に残るスーパースターの系譜に名を連ねる可能性は十分にありそうだ。

構成●THE DIGEST編集部