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海外サッカー

「エル・ブランコの隠された真珠」久保建英がマジョルカで課された宿題は?マドリー専門メディアが“帰還“の条件を提示

THE DIGEST編集部

2021.08.25

より直接ゴールに絡む仕事が出来なければ、久保の評価は上がっていかないだろう。(C)Getty Images

より直接ゴールに絡む仕事が出来なければ、久保の評価は上がっていかないだろう。(C)Getty Images

 今季、レアル・マドリーからのレンタルでマジョルカに再加入した久保建英は、ラ・リーガ第2節のアラベス戦で初のスタメン入りを果たし、88分間プレーして、チームの初勝利に貢献した。

 まだ、連係の面で改善すべき点が多いものの、随所でクオリティーの高さを示しただけでなく、課題とされている守備面やフィジカル面で明らかな向上が見られるなど、今後に向けて期待できるプレーを披露した20歳の日本人選手については、ルイス・ガルシア・プラザ監督の印象も「ここまでの彼には満足している。我々に多くのものをもたらしてくれるだろう」とポジティブである。

 久保の動向を常に注目しているマドリーの専門メディア『Defensa Central』も「この日本人選手は新たなチームに非常に上手く適応している」と評価。「昨季、ビジャレアル、ヘタフェで自身のベストな姿を見せられず、継続的な出場機会を得られなかったMFは、マジョルカでは非常に幸せである」という同メディアは、さらに以下のように続けている。

「バレアレス諸島のクラブでは、クボのプレーは好まれ、非常に頼りにされている。彼は非常に速くチームに適応し、好パフォーマンスを発揮。そのプレーは生産的であり、それはチームが必要としていたものである。日本人選手が素晴らしい才能を持ち、天才的なプレーができることは、新天地で早くも証明されている。今後、ラ・リーガで革命を起こし、クラブでの夢を実現するため、監督の信頼を強める必要がある」
 
 また同メディアは、マドリーの視点から久保を「『エル・ブランコ』の隠された真珠」とポジティブに表現しながらも、EU圏外枠の問題などもあって「まだこのチームでは居場所がない」と指摘。その上で、彼がマドリーでプレーするための改善点を以下のように挙げている。

「クボがラ・リーガで傑出した選手となるためには、まだ改善すべき点が多くある。そして朱色のチームでは、L・ガルシア監督から早くも『宿題』が出されている。それは、より決定的なプレーをすることだ。久保に求められるのはゴールであり、また、より敵陣深くに侵入することで、より彼は輝けるだろう」

 マジョルカの地元紙『Diario de Mallorca』も、L・ガルシア監督が久保をストライカーのすぐ後ろの位置(トップ下)でプレーさせることで、できるだけ守備のタスクを減らした上で、攻撃面で彼のプレーメーカーとしての才能を発揮させる意向であると報道。最初の所属(2019-20シーズン)から2年で進化を遂げた久保について、同メディアは「攻撃のリーダーのひとり」として不可欠な存在であるとしている。

 マドリードのスポーツ紙『MARCA』も、過去2試合とは違って、28日に行なわれるリーガ第3節のエスパニョール(前節の相手であるアラベス同様、久保のレンタル先候補のひとつだった)戦ではスタメン候補に挙げており、いよいよこの日本人選手が本格的に主力としてチームの先頭に立つことになりそうだ。

 代表ウィークによる、半月以上(4節アスレティック・ビルバオ戦は9月14日開催予定)のブランクを前に、2節を終えて1勝1分けで5位につけるなど好スタートを切ったマジョルカに久保が何をもたらせるかに要注目である。

構成●THE DIGEST編集部

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