この歴史的な一撃について、ミランはSNSで「歴史が記された」「運命」と投稿。またイタリアのスポーツ紙『Gazzetta dello Sport』も「チェーザレ、パオロからダニエルにバトンは渡された。ミラノのストーリーの中で最もエキサイティングな１ページである」と綴ってその重要性を強調し、サッカー専門サイト『TUTTOmercatoWEB.com』は「マルディーニ王朝にとっての歴史的な午後。父パオロが最後にロッソネロのユニホームを着てからちょうど4500日後に、“３代目”の歴史が始まった」と伝えた。

　他にも、スポーツラジオ局『talkSPORT』は「誇り高い一族の遺産を受け継ぎ、得点記録を続けた」「キャリアの中で相手FWから多くのボールを奪い去ったパオロは、FWである息子ダニエルがゴールを奪ったことを非常に誇りに思ったことだろう。彼はゴールの瞬間、晴れやかな笑顔でこれを祝った」と報じている。

　また彼の将来については、「成功への道を進み始めたダニエルだが、パオロの実績はあまりに素晴らしく、その半分でも成し遂げられれば十分なほどだ。父は息子が多くのメダルを手にできることを願っている」とも綴った。同メディアはまた、マルディーニ家の長男でダニエルの５つ年上のクリスティアン（現セリエCのプロ・セスト所属）もミランの下部組織に所属していたものの、こちらはトップチームでのデビューは叶わなかったことも紹介している。
  　国営放送『RAI』の著名な記者、ダリオ・ディ・ジェナーロからも「３世代でゴール。脱帽だ」と称賛されたマルディーニ家の偉業には、パオロのかつての仲間も反応。彼のユース時代からの親友アレッサンドロ・コスタクルタは「二度とない特別なことだ。ダニエルにヘディングのイメージはなかったが、おそらく祖父チェーザレが背中を押したんだろう。スタンドにいたパオロは、もし横にフレデリック・マッサーラSDがいなければ、スタンドの全ての人とハグをしていただろう。それだけ、彼にとっても特別な１日だった」と語った（『calciomercato.com』より）。

　パオロは以前、ミランとマルディーニ家の関係について、「この先も長く続いていくことを祈っている。マルディーニ３世、４世とともに……」、チェーザレも「マルディーニ家の人間は皆、ミランを特別なものと見ている。孫たちも同じように育つだろう」と語っていたが、大きな一歩を踏み出したダニエルには早くも、父、祖父が成し遂げた偉業を再現し、次の世代にバトンを引き継ぐことが期待されているようだ。

構成●THE DIGEST編集部