かつてミランで名将の座に就いたファビオ・カペッロもそのひとりで、「ミランは質の高いプレーをし、素晴らしい試合を見せたが、主審がこれを台無しにした」と、審判を断罪している。

「これは非常に深刻なミスだ。PK判定が下された場面の動画を見れば、アトレティコの選手が決定的な手でのタッチでボールの軌道を変えていることが明白だ」
  　ただ、これらはあくまでも主観であり、一方ではケシエへの判定は妥当と見る者も少なくない。PKに繋がるハンドの場面についても、「ルマールは腹でボールを押し出しており、手で触れていない」「状況的にルマールのハンドは仕方がないが、カルルは明らかにファウル」など、様々な見方がある。そして、スペインのメディアは、その多くが「アトレティコが劇的な形でミランを下した」ことに注目し、審判の判定については、イタリア側の怒りは紹介するに止めている。

　いずれにせよ、これで厳しい状況に追い込まれたミラン。伊日刊紙『CORRIERE DELLA SERA』は、欧州の舞台に留まり続けるために「痛い敗北の後、ミランはポルト相手に連勝が必要だ。これは簡単ではない」と記した。サン・シーロでは強さも随所に見せた彼らが、どのような巻き返しを見せるかが興味深い。

構成●THE DIGEST編集部