専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
日本代表

異国で始めるセカンドキャリア――2人の元Jリーガーは、なぜオーストラリアで新たな生活基盤を築くに至ったのか?

元川悦子

2022.04.02

田代が運営する「MATE FC」のスタッフ陣。写真:元川悦子

田代が運営する「MATE FC」のスタッフ陣。写真:元川悦子

 そんな矢先に襲ったのが、新型コロナウイルスのパンデミック。2020年春の最初のロックダウン時は外出できるのが居住地から10㎞以内、買い物は家族の1人のみ。それ以外の外出は毎日1時間以内の運動だけという厳しい制限が課された。それが一時的に緩和されても、感染者数が増えれば再び規制強化といういたちごっこ。2021年夏のデルタ株蔓延時には外出範囲が5㎞まで狭められた。この状態が今年1月まで断続的に続いたのだから、スクール活動も成り立たない。田代は今後の展開を思案し続けたという。
 
「2032年にはトップチームがNPL1部参入を果たすという『10年計画』を立てました。今は90人の子供を対象にスクール活動を行なっていますが、3年以内に250人規模に拡大し、『MATE FC』として協会に登録。大会参加が可能な状態にします。

 さらに2024年にはU-8、U-10、U-12を作り、U-14、さらにU-16、U-18、U-20とカテゴリーを拡大し、最終的にトップチームを立ち上げて、プロリーグに入るという明確なビジョンを描いたんです。

 ピラミッドを完成させるためにはスポンサーが必要不可欠。コロナ禍の間に営業して6社と契約を結びましたが、まだまだ足りない。Jリーグ時代のネットワークも使いながら探すつもりです。いずれは元Jリーガーも呼べるようにして、彼らのセカンドキャリア構築の手助けもしたい。僕の活動に興味関心を持っていただける方がいれば、ぜひ協力してほしいですね」と彼は語気を強める。

 目下、数人の元Jリーガーが、田代が運営する「MATE FC」でパートタイムコーチを務めているが、長谷川悠もそのひとり。彼は今、NPL・ニューサウスウェールズ州2部のセント・ジョージ・セインツで選手兼U-14コーチとして活動中だ。

「僕は2006年からJリーグ8クラブで14年プレーしましたけど、ずっと同じことを続けていても、ひとりの人間・競技者として限界があると感じていた。今後の人生を考えた時、異国で多くのことを学んだ方がプラスだと確信し、山形時代の先輩である有三君に相談したうえで、2020年2月に単身で渡豪したんです」
 
NEXT
PAGE

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号

  • soccer_digest

    8月8日(金)発売!

    定価:800円 (税込)
  • world_soccer_digest

    8月7日(木)発売

    定価:890円 (税込)
  • smash

    7/18(金)発売!

    定価:800円 (税込)
  • dunkshot

    7月25日(金)発売

    定価:1100円 (税込)
  • slugger

    7月24日(木)発売

    定価:1100円 (税込)