どんなチームでも重箱の隅を楊枝でほじくるようにミスを探せば、いくらでも出てくるものだ。実際、ドイツではメディアやSNSで、「あれもあった」「これもあった」とまるで間違い探しのように代表チームの問題点が指摘されている。
無論、ドイツ・サッカー史上初の2大会連続GL敗戦となったのだから、致し方ない面もある。ではドイツ代表には本当に問題しかなかったのだろうか。日本、スペイン、コスタリカとのグループリーグ3戦はどれも「そこまで悪いゲーム」ではなかったと言える。
グループリーグ敗退における最大の要因となった日本との初戦で喫した黒星にしても、試合開始から75分に堂安律の同点弾を許すまでは、リズミカルで、意図のある攻撃が展開できていた。
ドイツの絶え間ない攻撃は相手守備陣を揺さぶり、いつ追加点が入ってもおかしくないようなペースだった。また、不安定とされていた守備もカウンターの起点を作らせないための準備を感じさせる的確なポジショニングと対処法が施されていた。
そんな日本戦における連続失点は、個人戦術における致命的なミスが連続で繋がったわけだが、一方ではネーションズリーグの設立により、欧州以外の国と試合ができる機会を失った影響もあったのではないだろうか。
“欧州サッカー”という枠組み(あるいはルール)の中で競い合っていた彼らにとって、日本による躊躇ゼロの強襲プレスは“ありえない”アクションであり、少しどころではない驚きをもたらした。
日本がプレスに来るのは予想できていた。そして本来はそれを自分達のポゼッションによるパス回しで回避し、逆にスペースを突いてカウンターに持ち込むはずだった――。それが、予想の範疇を超えた勢いとなったプレスの連続でドイツの歯車は崩れた。結局、それを明確に分析して理解できなかったために飲み込まれてしまった、という側面はあるのではないかと思われる。
アルゼンチンが、同じく大会初戦でサウジアラビアに敗れたケースや、モロッコがアフリカ勢初のベスト4まで飛躍した結果からも、W杯というのは普段慣れ親しんだサッカーだけではなく、様々な解釈とアプローチのサッカーがあるなかで競い合う大会だというのを、改めて思い起こさせてくれた。
また、W杯という国際舞台においては、そうした苦難をチームとして経験し、乗り越えながら成果を掴み、さらに繋がりを深め、自分達の強さを発揮できるプロセスが重要となる。アルゼンチンにしてもサウジアラビアに敗れながら、その経験を活かし、立て直せたからこそ、決勝トーナメント進出後の苦闘も耐え抜き、ついに36年ぶりの優勝へとたどり着くことができたのだ。
タラレバにはなるが、もしもグループリーグ3戦目で日本がスペインと引き分けとなり、ドイツが決勝トーナメント進出を果たしていたとしたならば、チームとしてのベースは固まり、クロアチアを撃破して、ベスト4以上に進出できた可能性はあった。だからこそ、その可能性を手繰り寄せるためには、グループリーグをまずは是が非でも突破しなければならないという短期決戦の性質と怖さを再認識させられた。
無論、ドイツ・サッカー史上初の2大会連続GL敗戦となったのだから、致し方ない面もある。ではドイツ代表には本当に問題しかなかったのだろうか。日本、スペイン、コスタリカとのグループリーグ3戦はどれも「そこまで悪いゲーム」ではなかったと言える。
グループリーグ敗退における最大の要因となった日本との初戦で喫した黒星にしても、試合開始から75分に堂安律の同点弾を許すまでは、リズミカルで、意図のある攻撃が展開できていた。
ドイツの絶え間ない攻撃は相手守備陣を揺さぶり、いつ追加点が入ってもおかしくないようなペースだった。また、不安定とされていた守備もカウンターの起点を作らせないための準備を感じさせる的確なポジショニングと対処法が施されていた。
そんな日本戦における連続失点は、個人戦術における致命的なミスが連続で繋がったわけだが、一方ではネーションズリーグの設立により、欧州以外の国と試合ができる機会を失った影響もあったのではないだろうか。
“欧州サッカー”という枠組み(あるいはルール)の中で競い合っていた彼らにとって、日本による躊躇ゼロの強襲プレスは“ありえない”アクションであり、少しどころではない驚きをもたらした。
日本がプレスに来るのは予想できていた。そして本来はそれを自分達のポゼッションによるパス回しで回避し、逆にスペースを突いてカウンターに持ち込むはずだった――。それが、予想の範疇を超えた勢いとなったプレスの連続でドイツの歯車は崩れた。結局、それを明確に分析して理解できなかったために飲み込まれてしまった、という側面はあるのではないかと思われる。
アルゼンチンが、同じく大会初戦でサウジアラビアに敗れたケースや、モロッコがアフリカ勢初のベスト4まで飛躍した結果からも、W杯というのは普段慣れ親しんだサッカーだけではなく、様々な解釈とアプローチのサッカーがあるなかで競い合う大会だというのを、改めて思い起こさせてくれた。
また、W杯という国際舞台においては、そうした苦難をチームとして経験し、乗り越えながら成果を掴み、さらに繋がりを深め、自分達の強さを発揮できるプロセスが重要となる。アルゼンチンにしてもサウジアラビアに敗れながら、その経験を活かし、立て直せたからこそ、決勝トーナメント進出後の苦闘も耐え抜き、ついに36年ぶりの優勝へとたどり着くことができたのだ。
タラレバにはなるが、もしもグループリーグ3戦目で日本がスペインと引き分けとなり、ドイツが決勝トーナメント進出を果たしていたとしたならば、チームとしてのベースは固まり、クロアチアを撃破して、ベスト4以上に進出できた可能性はあった。だからこそ、その可能性を手繰り寄せるためには、グループリーグをまずは是が非でも突破しなければならないという短期決戦の性質と怖さを再認識させられた。