専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
海外サッカー

日本の躊躇ゼロのプレスに歯車が崩れたドイツ。“史上初の屈辱”からの再建に求められる確かな将来性【現地発】

THE DIGEST編集部

2022.12.28

24年までの続投が決まったフリック。その手腕に期待されるものは小さくない。(C)Getty Images

24年までの続投が決まったフリック。その手腕に期待されるものは小さくない。(C)Getty Images

 今後、ドイツはどのように建て直しに向けた舵取りを進めていくのか。24年には母国開催となる欧州選手権がある。優勝がノルマと言えるような状況ではないが、だからといって不甲斐ない戦いが許されないのは、関係者の誰もが感じている。

 いまのドイツに必要なのは希望であり、確かな将来性だ。このチームはきっと成長し、いいチームになるだけの素晴らしい資質があるという実感である。

 そのためには、チームに必要なプレーができる選手が適材適所で起用されるかが注目される。守備に安定感がないのなら、ディフェンス力を発揮できる選手がボランチやサイドバックに必要になってくるだろう。
 
 そして野心と躍動感にあふれる若い世代の積極的登用も求められる。フリック監督はカタールW杯のメンバーからドルトムントのベテランCBマッツ・フンメルスを外した理由について次のように話していた。

「これはワールドカップだ。今大会で結果を残すことを考えるのが一番大事なのは間違いない。それでも、自分達コーチングスタッフとしては、将来に向けてワールドカップを経験をすることも大切で、価値があると考えた。マッツには非常に気の毒な事だと思う。彼の選出に反対だったわけではない。ただチームのために決断をした。将来への視点をとった」

 それならば、今回の経験を繋げていくのが、やはり重要になる。すでにドイツに欠かせない戦力となっているムシアラのほか、ユスファ・ムココ、カリム・アデイェミ、アルメル・ベラ=コチャプといW杯に参戦した逸材たちに加え、今大会は負傷でメンバーを外れたフロリアン・ヴィルツら才能豊かな20代前半の選手たちが、戦力としてプレーしていく環境を整えていく必要があるのだ。

 契約通りに24年までの続投が確定したフリック監督は、今大会の経験から若手たちをどう融合させていくのか。屈辱を味わった大国の再建に注目していきたい。

取材・文●中野吉之伴

【関連記事】「論争が絶えない」“三笘の1ミリ”に海外メディアが再脚光! カタールで話題となった5大シーンに選出【W杯】

【関連記事】次回W杯、32→48か国参加は日本代表の「ベスト8」到達へ追い風になる? 番狂わせ連発の流れは今後も続くか【コラム】

【関連記事】「狂気的だった日本」英記者たちがカタール大会での森保ジャパンの快進撃に最敬礼!「愛さずにはいられない」【W杯】
NEXT
PAGE

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号