専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
海外サッカー

冬の移籍市場で主役となったチェルシー、なぜ驚異的な札束攻勢が可能なのか? その理由と今後の展開を英BBCが検証

THE DIGEST編集部

2023.02.02

 さらに、チェルシーが選手の獲得において分割払いを選択していることも、クラブの財政を助けているというが、移籍金を契約年数で割って計上することが可能な現行ルールでは、これがFFPの“抜け道”になっているという指摘を受けてUEFAは今後、分割の制限を5年にすることを定めている。
 
 マグワイア氏によれば、このチェルシーの経営は非常にリスキーなものであり、選手が期待通りの成績を残せない場合、獲得した際と同額での売却は難しく、チームに残すにも平均して年間800万ポンド(約13億円)程度の高額な給料を支払う必要があり、ここでは上記の理由で締結した長い契約期間がネックとなってくる。

 また、チェルシーは現在プレミアリーグで10位に沈んでおり、これほどの補強を施したとはいえ、CL圏内の4位以内(4位とは勝点10差)に入るのは容易ではない。そしてCL出場を逃せば、当然ながら収益は大きく減少することとなり、今後18か月間にわたり、クラブに大きなプレッシャーがかかることになり、最悪の場合はFFPに抵触することで、長期契約を結んでいる選手については給料の引き下げや売却を強いられることがあるという。

『BBC』のコメンテーターを務める元イングランド代表ストライカーのクリス・サットンは、「驚くべき出費だ。彼らは即興でやっているように見える。優れた選手なら誰にでも、幾らでも払い、絶対に連れてくる、という感じだ。カタール・ワールドカップではアルゼンチン代表で影響力を誇ったフェルナンデスだが、彼はまだ若く、完成品とは程遠いが、チェルシーは彼の可能性を買った。ただ、1億ポンドも払うとは信じられない。1月はクレイジーな月だ」と語っている。

 昨夏から今冬までに選手補強に5億8320万ポンド(約933億円)を費やし、逆に選手の売却では1億6960万ポンド(約271億円)の利益を得たチェルシー。世界的な監査法人「Deloitte」によれば昨季は4億8130万ポンド(約770億円)の総収益を記録したビッグクラブの現在の姿勢は、彼らにいかなる未来をもたらすだろうか。

構成●THE DIGEST編集部
【関連記事】「極上のフィニッシュだ」リバプールを粉砕した三笘薫の“芸術弾”にレジェンドも脱帽! 英メディアも賛辞の嵐「ミトマは偉大」

【関連記事】「まだ上に行かないといけない」ブライトン指揮官も評価を改めた三笘薫の急成長。末恐ろしい25歳の進化

【関連記事】誰も“予見できなかった”三笘薫の覚醒。欧州データ社がブライトンでの飛躍を激賞!「ミトマは川崎からやってきた成功例」

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号