このように“包囲網”を敷かれた状態のなかでも、三笘がチームに貢献するため様々な試みや創意工夫が、今回のストーク戦からも見てとることができた。元イングランド代表DFで現在はコメンテーターを務めているリー・ディクソン氏は英国チャンネル『ITV4』にて、三笘のプレーを解説している。

　DF出身の同氏は、やはり守備側の目線から「カオル・ミトマと対戦する難しさは、彼の判断力の速さにある」と言及する。そのため、「相手DFは（ボールを奪ったり、パスコースを防ぐために）彼に近づくことができない」と、日本人アタッカーの良さを指摘している。
  　決してドリブル突破だけでなく、ボールを持つ時も、そうでない時も、スペースを見つけて選択肢の中から最も効果のあるプレーを瞬時に選択する能力があることは、この数試合からも窺えた三笘。

　現状でもブライトンで不可欠な存在となっている彼が、ロベルト・デ・ゼルビ監督のチームの中で、よりフォア・ザ・チームに徹することで、彼自身そしてチームのプレーの幅が広がっていくことだろう。

　三笘だけでなく、チームとしても大きな魅力を秘めたブライトン。移籍市場ではアレクシス・マク・アリステル、モイセス・カイセドらが注目選手として具体的な移籍候補の名前が挙がっている。

　三笘もここに“陳列”されている状況だが、このサセックスのクラブはいま、天文学的な市場価格がつけられている選手たちを極めて低い移籍金、もしくは移籍金もなしに獲得したことで、その経営方針やスカウティング能力が高く評価されている。