ちなみに前出のバスク紙『noticias de Gipuzkoa』は、起用法だけでなく、ローマの選手たちがしばしばわざと（あるいは大袈裟に）倒れて時間稼ぎを図ったと指摘し、さらにそれを見過ごした審判に対しても怒りを隠さず、欧州カップ上位進出の千載一遇のチャンスを逃したことについて「今回の苦痛は耐えがたいものだった」と綴っている。
  　また、バルセロナのスポーツ紙『MUNDO DEPORTIVO』は「ラ・レアルは戦略、技術、新鮮さ、そして相手ゴールまでのラスト数メートルにおけるフィニッシュと機動性に欠けた。以前の５-３-２での守備時における快適さを考えると、イマノルがウィンガーを配置しなかったことは驚きだ。後半はシルバとミケル・メリノの魔法、交代出場の久保とショの閃きで相手ゴールに迫った。プレーすべき選手がプレーせず、最近はこれが一般的となりつつある」と、こちらもソシエダの起用法に疑問を呈した。

　短時間のプレーにおける久保のパフォーマンスについては、マドリードのスポーツ紙『AS』は「スピーディーなプレーで、ライン間で相手に混乱をもたらそうとした」とポジティブに評し、『MUNDO DEPORTIVO』は「試合の終盤の“ロックンロール”」と表現、サッカー専門サイトの『El Desmarque』は「イマノルがこの試合で行なった４つの交代の中でベスト。そして、最も多くのプレーを見せた」と称賛した。

『noticias de Gipuzkoa』紙は個別評価の記事においても怒りの論調は変わらず、「彼のサブ（ベンチ）は理解できない。これ以上、何も言えない。彼なりに一生懸命にプレーした」と記述。一方、イタリアのサッカー専門サイト『TUTTO mercato WEB.com』は「試合に違いをもたらせなかった」と厳しい評価を下している。

構成●THE DIGEST編集部