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海外サッカー

EURO2032は隣国同士ではない2か国の共催に…単独開催を目指したイタリアがトルコと手を結んだ背景と国内の反応は!?

THE DIGEST編集部

2023.10.13

 イタリア・サッカー連盟のガブリエレ・グラビーノ会長は「我が国にとって、久しぶりの大会開催だ。地中海の友好的な2か国が共同で開催するこの大会は、欧州全体にとっても良いものとなるだろう」、トルコのスポーツ大臣であるオスマン・アスキン・バク氏は「EUROの開催はトルコ・サッカーにとって重要な前進となる。友好国であるイタリアとの共催を嬉しく思う」と、それぞれが声明を発した。

 トルコは2008年大会から4度続けて大会招致に失敗してきて、ようやく掴んだ開催権。これを経済やスポーツ界の改善・向上に利用しようと考えており、共同開催にもポジティブな見解を示しているが、一方のイタリアではトルコが人権侵害で批判されている現状を憂慮し、複数の国内メディアがネガティブな論調を示しており、日刊紙『Il Giornale』などは「イベントを台無しにする可能性がある」と懸念している。

 2012、2016年大会の招致に失敗しているイタリアは当初、単独での開催を目論んでいたが、これを諦めざるを得なかったのは、スタジアムとインフラの著しい老朽化のためで、アクレサンダル・チェフェリンUEFA会長から「イタリアのサッカーに関するインフラはあまりに貧弱だ」と指摘されたほどだ。
 
 自国開催となった1990年のワールドカップ以降、30年以上が経っても大規模なスタジアムの改装は行なわれておらず、ユベントス・スタジアムを除けば、最新鋭の施設も見当たらない。数年前にはハンガリー代表を率いるイタリア人監督、マルコ・ロッシからも「この国が本当に改善すべきは、スタジアムなどの施設だ。これは、かなり遅れている。ハンガリーの方が、100倍は良い状況だ」と厳しい言葉を頂戴している。

 対してトルコは、この面では高い評価を得ており、昨季のチャンピオンズリーグ決勝をアタテュルク・オリンピック・スタジアムで開催したのは記憶に新しい。トルコ・サッカー連盟のメフメト・ビュユケクシ会長は「我々の努力がついに報われた。トルコは、近代的なスタジアム、強力なインフラ、交通ネットワーク、宿泊施設の多様性を備え、あらゆる意味でこの選手権を開催する準備ができている」と胸を張る。

 こうして、手を結んだ遠く離れた2つの国。それぞれ5つの会場を選定することになるが、そこから様々な思惑を抱きながらの準備を経て、9年後にどのようなイベントを世界に提供することになるのか、要注目である。

構成●THE DIGEST編集部

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