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海外サッカー

トナーリらがハマったギャンブル依存のリスク…所属クラブや統括機関は選手に同情し、英紙は自国クラブと賭博会社との提携を批判

THE DIGEST編集部

2023.10.20

 また、FIGCのガブリエレ・グラビーナ会長も声明を発し、「ひとりの人間として、2人の選手(トナーリとザニオーロ)に同情している。彼らは、私にとって子どものようなものだ。我々は、こうした過ちを犯した“少年たち”を過度に非難すべきではない。ギャンブル依存症は社会的な病気だからだ。間違いを犯した者は誰もが罰せられ、同時に治癒と回復プロジェクトを受けることになる。我々は、彼らが確実に復帰できるようにしなければならず、見捨てることはない」と、こちらも選手たちに寄り添う姿勢を示した。

 前述のファジョーリについても、公式の処分は12か月間の出場停止だが、そのうちの5か月はギャンブル依存症の治療を受けることを条件に減刑される。なお、彼は最低6か月のセラピープランに従い、少なくとも10回のミーティング参加が課せられる。

 日本でも、アスリートのギャンブル依存症が話題になったことがあったが、研究や調査によってこうしたリスクは実証されている。勝負の世界に身を置いていることで、一般人よりもギャンブルに惹きつけられやすいといわれており、また若いうちに同年代と比べてもはるかに高額な収入を得られることで、金銭感覚が狂ってしまうことも、のめり込む要因のひとつといわれている。

 それゆえに前述の通り、今回も各選手は違法行為について罰せられながらも、同情を示されているわけだが、『The Guardian』紙は、「ニューカッスルが今回の件でトナーリをサポートし続けなければ、それは偽善として非難されるだろう」とも指摘。というのも、このクラブがギャンブル会社3社とスポンサー提携を結んでいるからだ。
 
 同メディアは、ギャンブル依存症に関する慈善団体「ビッグステップ」が、今回の件を受けて「ニューカッスルとアストン・ビラ(ザニオーロの所属先)は、選手たちと団結するとともに、ギャンブル会社との関係を見直すべきだ」と声明を出したことを紹介。プレミアリーグでは、2025-26シーズンで各チームのユニホームにギャンブル会社の名前を掲出することを禁止したものの、スポンサー契約やスタジアムでの広告掲出は引き続き許可されているという。

 イタリアでは2019年から、スペインでも2年前から禁じられているギャンブルとの関わりや露出が、イングランドでは継続され、依存症に苦しむ者を生み出しながら、その要因となる会社からのスポンサーフィーで財政を潤すということを、同メディアは皮肉をもって指摘している。

 なお、ザニオーロについては、弁護士のジャンルカ・トニョッツィが自国のスポーツ紙『Gazzetta dello Sport』に対し、彼のクライアントは賭博を行なっていないと否定し、「違法なオンラインプラットフォームで、ポーカーやブラックジャックなどのカードゲームを、違法とは知らずにプレーした可能性はあるが、我々は全てを解明する」と語った。

構成●THE DIGEST編集部

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