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海外サッカー

79歳で逝去のアズーリ歴代最多得点者リーバが持つ「選手団団長」としての絶大なる貢献! カンナバーロ、バッジョからの涙のメッセージ

THE DIGEST編集部

2024.01.26

 同職でのジジは、スーパースターのカリスマ性を持ち続けるとともに、優れた「心理学者」であり、問題を抱えてサポートが必要な選手に練習でも試合でも寄り添い、言葉少なながらも、その励ましが彼らを元気づけたと、イタリアの日刊紙『Il Fatto Quotidiano』は伝えている。

 ロベルト・バッジョが90年にフィオレンティーナからユベントスに移籍した際、怒ったヴィオラサポーターが合宿所に侵入した際には、ホウキを持ってこれに応戦してバッジョを守ったという。また、94年アメリカ・ワールドカップのノルウェー戦では、数的不利(GK退場)を負ったことでアリーゴ・サッキ監督からまさかの途中交代を命じられた後、バッジョに真っ先に駆け寄ったのもリーバであり、彼はあえてバッジョに感情を吐き出させる(サッキ批判)ことで精神的な平穏を取り戻させ、一方でサッキにも敬意を払い、この騒動を収めた。

 同大会の決勝ではPK戦で最終キッカーとして外し、ブラジルの優勝を決定づけてしまった悲劇のバッジョをやはりリーバが抱きしめ、4年後のフランスW杯では開催国との準々決勝のPK戦で失敗したルイジ・ディ・ビアージョが、試合後に誰から声をかけられても呆然としていたところを、「頭を上げろ。やったことを誇りに思うべきだ」と声をかけ、失意のMFに立ち上がる力を与えている。
 
 常に選手の側に立ち、連盟との報酬に関する交渉でも仲介役を務めたリーバは、2006年ドイツW杯開幕前にジャンルイジ・ブッフォンが所属するユベントスの八百長疑惑に巻き込まれて検察に出頭することになった時には、これにも同伴して勇気づけた。一方で、チームの秩序を乱す行動は許さず、クリスティアン・パヌッチ、パオロ・マルディーニ、クリスティアン・ヴィエリら主力選手を躊躇なく叱責。一貫した強い姿勢は、アントニオ・カッサーノ、マリオ・バロテッリといった問題児からも信頼を勝ち取ったという。

 ベルリンでの世界制覇を心から喜んだリーバを、選手も敬愛していた。ゆえに今回の訃報を受け、ファビオ・カンナバーロは『Sport Mediaset』に対し、「彼は神話の中の神話の存在だった。非凡な人物であり、我々に多くの価値観を伝えてくれた。偉大なサッカー選手であり、特別な人間だった。多くの人が彼のことを忘れないだろう」と涙ながらに語っている。

 またバッジョは、『ANSA通信』を通して、大先輩であり、恩人であり、友人だったリーバに「親愛なるジジ、多くの戦いと同じくらい、多くの苦しみを分かち合った友人……私はその瞬間と抱擁を決して忘れない」「あなたは非常に謙虚な、唯一無二で貴重な存在でした。あなたは私にとって、一貫性とユニホームへの忠誠心、真の勇気の美しい例だった。あなたは、あなたを受け入れた土地を、他の誰よりも愛しました――」と、感謝の言葉を贈った。

構成●THE DIGEST編集部

【動画】リーバも活躍!70年メキシコW杯準決勝 イタリア対西ドイツ戦ハイライト
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