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日本代表

東京五輪へ向けてU-22代表が直面する3つの課題とは?【U-22代表2020年展望】

多田哲平(サッカーダイジェスト編集部)

2019.12.29

A代表活動に東京五輪世代を呼ぶのは有効だ。兼任の森保監督だからこその強化策でもある。写真:茂木あきら(THE DIGEST写真部)

A代表活動に東京五輪世代を呼ぶのは有効だ。兼任の森保監督だからこその強化策でもある。写真:茂木あきら(THE DIGEST写真部)

■課題2:戦術の浸透
【少ない活動でいかに落とし込む?】

 11月のコロンビア戦を見ても、いまだ戦い方のベースは不明瞭。しかも「柔軟性」を強調する森保監督のスタイルを理解するには時間がかかり、残り7か月の限られた活動で戦術を落とし込むのは、簡単ではない。

 コパ・アメリカやE-1選手権は若手選手を中心に臨んだものの、実質的にはA代表の活動であり、森保監督がU-22代表を率いたのは、先日のコロンビア戦が約1年2か月ぶりだった。その間は横内コーチが指揮を執ったが、森保監督がいくら「横内コーチの言葉は私の言葉」と話しても戸惑う選手はいたはずだ。

 だからこそ年明け早々のU-23アジア選手権は海外組の招集は難しいとはいえ、森保監督の下でチームのベースを築ける貴重な時間となる。前述したようにここでの収穫と課題を加味しながら、A代表のアジア2次予選を活用してチームをブラッシュアップできれば、7月の東京五輪開幕へつなげられるのではないか。ただ、それでも時間は限られており、万全な準備が間に合うかは不安だ。

 中途半端になるくらいであれば、3バックか4バックのどちらかに固めるなど、戦術の幅を絞り込む必要もあるかもしれない。現状ではこれまで採用してきた3 -4 -2 -1の成熟度を高めるほうがベターか。
 
■課題3:オーバーエイジ
【どのポジションに誰を呼ぶ?】

「本気で金メダルを狙う」(森保監督)なら、オーバーエイジは必須。16年大会で優勝した開催国ブラジルは至宝ネイマールに命運を託し、12年大会のメキシコはオリベ・ペラルタの2得点で決勝を制した。08年大会のアルゼンチンでリオネル・メッシ、セルヒオ・アグエロなど若き才能を支えていたのは、フアン・ロマン・リケルメらベテランだった。

 森保監督は12月初め、「五輪世代の選手が力をつけてオーバーエイジの実力と経験は要らないと判断した場合は、“オリンピックエイジ”で出場する選択肢も考えたい」と言っていたが、一方で「日本代表の常連とミックスした6月のコパ・アメリカの時には、経験のある選手の存在は非常に大きかった」と、その影響の大きさも語っている。

 例えば、ゲームメーカーの少ないボランチには、柴崎岳のような舵取り役を、タレント揃いの2列目を活かすためCFに大迫勇也のようなポストワーカーを配すのはベストだろう。圧倒的なパーソナリティを持つ本田圭佑のような、チームの雰囲気を一気に変える“劇薬”も悪くない。

 いずれにしてもオーバーエイジとの融合を図る意味でも、国際Aマッチを上手く活用したい。

取材・文●多田哲平(サッカーダイジェスト編集部)

※『サッカーダイジェスト』2020年1月9日号より転載
 

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